リレーコラムについて

川の話3

明石靖彦

(つづきで、焚き火の話しです)

河原に散らばる流木を集めてくるところから、
川の旅の焚き火は、はじまります。
小さい焚きつけから、中盤をになうやや太い木、鍋なんかも置ける
ような太い木まで、両手に抱えたり、二人がかりで引きずってきたりして
集めます。薪を集めたら、組んで焚きつけます。

山間の谷にある河原は、日が隠れるのが早くて、すぐ薄暗くなります。
その薄暗くなってきた、石だけのただただ広い河原の片隅にポッと、
小さく火がおこります。

火が本格的に大きくなる頃には、まわりは完全に真っ暗。
ヘッドランプがないと歩くのも大変です。
川の流れる音と時々、鳥のギーなどという声がします。
火のまわりに座ってゴハンを作ってたべたり、飲んだりします。
火に照らされている自分の前は、明るいけど、背中の後はほんとに闇。

ゴハンを食べたりしているときの炎は結構いきおいがあって
パチパチ燃えているのだけど、ゆっくり飲みながら話しをするころには、
落ち着いた感じの火になり、ひとり、ふたりと火のまわりから「おやすみなさい」と
抜けだすと、炭火になって、じわり、じわりと
赤くなったり、時々小さな炎をあげたりします。

せかされることもなく、
なんとなく焚き火に合わせて夜が動いていくというか、
「何時」ということを言わなくても、「時間」というものを意識しなくても、
過ごせる感じなのです。
焚き火は、川の旅の夜には欠かせません。

明石靖彦の過去のコラム一覧

1090 2004.01.30 川の話(岩篇)
1089 2004.01.29 川の話(ガビガビ隊篇)
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1086 2004.01.26 川の話
NO
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