リレーコラムについて

コピーライターの進化を後押しする概念

渡邉寛文

「コピーライターならびに広告クリエイターのデジタル化」をテーマに書いてきたコラムも今回で終わりです。最終回は、まとめを記します。コピーライターはデジタル時代にどのように進化することができるのか。しばらくお付き合いください。

私はコラムの中で「コピーライターならびに広告クリエイターのデジタル化」を成功させるためには「アウトプット至上主義」を棄て、マーケティングの「プロセス」を担う役割でコピーライターならではの強みを活かすことが有効と言及させていただきました。マーケティングの業務プロセスにおけるコピーライターならではの強みは、次の3つだと思っています。

①アカウンタビリティ
②ファインディング
③イノベーション

これらをまとめると次の仮説に辿り着きました。

「デジタルを深く理解したコピーライターは、デジタルトランスフォーメーションの役割を担う職種へ転身できる可能性がある」

企業へテクノロジーの必要性を説き、テクノロジーに置き換えられる部分を見つけ、アイデアとともに革新を起こす。主体側でも支援側でもデジタルの中心地点で活躍できる気がします。ひとりよがりな思い込みかもしれませんが。

最後にデジタル化への転身を後押しする「スピード」という概念の大切さを言及させていただきます。

超ユーザーファーストな時代において「速い」は「美しい」と同じくらい価値になリます。「アウトプット至上主義」を棄てることは「スピード」を高めることにもつながります。「スピード」は「デジタルイノベーション」と「UX(ユーザー体験)」において特に有効に作用します。

「デジタルイノベーション」における「スピード」は、市場優位性を得るための有効な武器です。経営学の概念で「ファーストムーバーアドバンテージ」という考え方があります。先行者利益とも言えますが、市場への参入スピードが優位性を左右するという考え方です。楽天の三木谷さんが提唱し広く知られています。デジタルイノベーションのアイデアが浮かんだら誰よりも早く実現することが市場に対する優位性を得るポイントになるかもしれません。後発優位という考え方もあるので、そこは判断ですが。

「UX」における「スピード」は、WEBサイトのパフォーマンスを最大化するための有効な武器です。一概には言えませんが、マス広告のクリエイターがつくるWEBサイトやランディングページは、UXを考えずに作品としてのクオリティを重視する傾向がある気がします。この傾向もアウトプット至上主義の弊害だと思いますが、サイトの読み込み速度に留意せずにリッチな表現へと走って離脱がめっちゃ多いみたいな(今の時代にスマートフォン対応すら忘れてるとかもときどき見受けられますが)。ランディング時に読み込み時間がかかってほとんど何も表示されずに数秒経つなど機会損失この上ないと思います。ユーザーはそんなにヒマではありません。ユーザーが所用時間と引き換えに得られるメリットが高ければ、読み込み速度が多少長くてもとどまってくれるとは思いますがそういうケースは期待しないほうが得策です。

例えば、Googleが開発者向けに提供しているページスピード解析ツール「Page Speed Insight」を使って、TCCのホームページの読み込み速度を確認してみると、読み込み速度の最適化が必要ということがわかります。

https://goo.gl/nW6sso

「Page Speed Insight」はURLを入力するだけで、ページの読み込み速度を評価してくれて具体的な改善点を提示してくれる便利なツールです。このツールがすべて正しいわけではありませんが、UXに自信がないうちは素直に従っておいたほうがいいと思います。私はとても参考にしています。ちなみに他の方もコラムで書かれていましたが、TCCのホームページは早々にレスポンシブ対応をするべきだと思います。

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さて、全5回にわたり偏りまくった個人的な意見をコラムに書かせていただきましたが、不快に思われた方は申し訳ございません。 192cmの身長を最大限に折り曲げてお詫び申し上げます。
また、こんなに偏った長いコラムを最後まで読んでくださった人には感謝しかありません。公開前のコラムに忌憚のない意見を寄せてくれた妻にも感謝です。

バトンは広告業界からコンサル業界に転職された服部タカユキさんに託します。服部さんがnoteで公開されている「43歳 文系おじさんの転職。」はとても面白く読み応えがあるコラムです。何かに挑戦することに迷われている人は、様々な気づきが生まれるのではないでしょうか。未だ読まれていない人はぜひご一読を。

https://note.mu/thattori/n/nc52f08a88747

それでは、服部さん一週間よろしくお願いします。

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