リレーコラムについて

三軒茶屋デザイナー会議

細田高広

あまりに私事で恐縮なのだけど、
昨日、三茶飲みが開かれた。

三軒茶屋住まいの若手制作が周りに多く、
タクシー代とか色々うるさいご時世だから
近所同士で飲もうじゃないか、
と前々から話していたのである。

赤坂駅からの終電に6人で飛び乗り、
小道沿いの居酒屋に滑り込んで、
ビールを注文し、顔を上げてあることに気付いた。

僕以外、全員デザイナー。

基本、下らない話をしているのだけど、
ときどき、デザインの話になると場が熱くなる。
やんちゃな風情のお兄ちゃんお姉ちゃんが、職人に見えてくる。
僕は、その感じがたまらなく好きで、
生まれ変わったら美大に行きたいなと、
単純にも思ったりするのだ。

と、まぁ完全に油断しながら
ほろ酔いになっていたそのとき、
ひとりの先輩が切り出した。

「最近のコピーライターってさぁ、」

デザイナーが語るコピーライター論である。
印象に残った発言をいくつか。

●「コピーどんな感じがいい?とか、聞くな。」

お前は何をやりたいんだ?何を面白いと思ってるんだ?
それを聞きたいのだ、といいます。

●「コピーが良ければ体裁はどうでもいい、とか思うな。」

これは会議時の話。
汚い字のまま出したり、一枚の紙にコピーを羅列したり、
読んでもらうための礼儀はどんなときでも持っていろよ、という話。

●「TCC要らない、とか言うな。」

賞なんか要らないもんね、とスカすのも
そんなの古いぜ、と言うのも簡単。
キラキラしようとする奴より、
ギラギラしてる奴と仕事がしたい、と先輩たちは言う。
この話がデザイナーから出て来るのは、面白かった。

別にAD/デザイナーに好かれる
コピーライターになりましょう、
という話ではありません。

普段は、あまりこういう話はしないけれど
実にADはコピーライターのことを
よく見てる。よく考えてる。

だからこそ、
ADと打ち合わせするときの、
協同しながら勝負している、
あの感覚が生まれてくるのでしょう。

コピーライターは、ADに育てられる。
改めて実感した三茶の夜。

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