適切な罵り文句
皇甫相太
尊敬する西田先輩からの熱いバトンを受け取り、手がずる剥けになってしまいそうです。
が、その熱いバトン、しっかり握り締めつつも、思いつくままに、ゆるーいカンジで書いていこうかと。
先日、タクシーに乗っていた時のこと。
目の前の信号が赤から青に変わって、さあ進もうかと車が動き始めた瞬間、
右の方から、一人の男性が自転車で飛び出してきた。
完全な信号無視である。
慌てて急ブレーキを踏み、クラクションを鳴らすドライバー。
にもかかわらず、自転車の男性は、こちらを振り向きもせず、平然と走り去ってしまった。
怒りのおさまらないドライバーは、大きな舌打ちをした後、吐き捨てるように言った。
「ジジィがっ!」
驚いたのは、そのドライバーの口の悪さや、客を無視した態度などではない。
大阪でタクシーに乗っていれば、そんなことは、日常茶飯事だ。
ボクが驚いたのは、「ジジィがっ!」と言い放ったドライバーが、
「ジジィがっ!」と言われた自転車の男性より、明らかに「ジジィ」だったことである。
確かに、自転車の男性は、「ジジィ」ではあった。
ただ、「ジジィ」と罵倒する人間が、それより「ジジィ」であったために、
その呼称に違和感が生じてしまった・・・
そして、その違和感に、ボクは心の中でつっこんだ。
「お前の方が、ジジィのくせにっ!」
元来、ボクも口が悪い。気も短い。
「ええ加減にせえよ、オッサン!」
「この、ハゲがっ!」
などと、口走ることも多々ある。
しかし、忘れてはいけない。
ボク自身も、もう立派に「オッサン」である。生え際も、徐々に上がってきている。
自分だって、「オッサンのくせに」「ハゲのくせに」と心の中でツッコミを入れられる日は、そう遠くない。
口の悪さと気の短さは、きっと、治らないだろうから、
今のうちに、自分とは被らない、適切な罵り文句を用意しておかなくては。
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