リレーコラムについて

金沢、冬の男塾。

越澤太郎

僕は北陸・金沢で育ちました。
通っていたのは、兼六園の斜め向かいにあった小学校。
兼六園が雪化粧する頃、校庭では一年生が体育の授業で
一生懸命雪だるまをつくる。それが冬の風物詩でした。
校庭に誕生したたくさんのかわいらしい雪だるまを、
3階にある6年3組の教室から眺めながら、同級生の池田君が一言。
「男塾、やるか?」
仲間を連れ立って、あ、後藤とか西念とかもいたなぁ、
内履きのまま極寒の校庭へと駆け出す最上級生。
目的は一つ。ドロップキックで雪だるまを破壊すること。
これが異様にキモチイイのですが、足先の凍えるような寒さに
耐えることとのトレードオフな関係がありました。
プラスマイナス・ゼロ、でしょうか?
雪空の下、20分もやっていれば足先の感覚もなくなってきます。
それと、担任の藤森先生に怒られるんですね、やっぱり。
今考えると「マイナス」要素が多いなあ・・・
我慢して気持ちよさを追求するストイシズムが
「男塾」だったのかなあ・・・
田舎の小学生が面白がるのは、この程度のことかもしれません。

冬が来ると、雪を見ると、そんな風景を思い出します。
残念なことに温暖化の影響を受け、
金沢の積雪量はホントに減りました。
雪だるまをつくる小学生も、壊す小学生も、
今はほとんどいないのかもしれません。

永友君よりコラムを引き継ぎました、電通の越澤です。
稚拙ながら本日より書かせていただきます5日間のコラムは、
もうすぐパパになる親友・池田君へ贈ります。

NO
年月日
名前
5692 2024.04.21 長谷川輝波 言葉オブザイヤー@ヘラルボニー
5691 2024.04.20 長谷川輝波 言葉オブザイヤー@韓国の街中
5690 2024.04.17 長谷川輝波 言葉オブザイヤー@新宿ゴールデン街
5689 2024.04.12 三島邦彦
5688 2024.04.11 三島邦彦 最近買った古い本
  • 年  月から   年  月まで