リレーコラムについて

甲子園にいないガングロ高校生

紫垣樹郎

 最近の高校生は、なんていうことを書くとオヤジ臭くて自分でも嫌だけれど、高校野球の甲子園大会を見ていてちょっと感じることがあったので書いてみよう。社会人になって高校生と直接接する機会がなくなったせいか、今時の高校生というやつがよくわからない。渋谷や新宿をはじめ街で見かける高校生はガングロ女子高生と地べたに座ってダベっている男子学生ばかり。テレビをはじめとしたマスコミや、雑誌などでもそんな高校生ばかりが目立っているけれど、どうして甲子園のスタンドにはいないのか。不思議な気持ちになった。そういうガングロタイプの学生はそもそも一部で、そんな学生は暑苦しい中野球の応援になんか来やしないのか。学校の先生がテレビにも映るんだから恥ずかしい格好は止めなさいと指導しているのか。あるいはNHKのカメラマンが意識的にガングロ女子高生は映さないようにしているのか。いずれにしても、普段テレビで見る脳みその足りなそうな高校生と、アルプススタンドにいる高校生は誰が見ても違うのである。最終回一打で逆転という時に、ちょっとスタンドにいる涙ながらに声援を送っている高校生を見るとついこちらまで熱くなってしまう。もしかしたらこれがNHKの徹底した戦略で、高校野球が日本人の心を離さない秘密なのかもしれないが、それにしてもさわやかな感情を抱いてしまう。一方で世の中にはアンチ高校野球という人もいて、そういう方の意見もよく聞いてきたが、私が高校生の頃とは高校野球もだいぶ変わってきているようだ。
 今年、驚いたのは2回の表と裏にそれぞれの高校の校歌の斉唱があることだ。今年から始まったのだと思うがこれは大変いい企画だと感じた。これまでの勝利チームだけが試合終了後に校歌斉唱するというのと違い、甲子園に出場した高校は必ず一回は校歌を歌えるようになっている。これは高校生だけでなく、その高校のOB達も喜んでいるに違いない。テレビで懐かしい校歌が必ず一回は聴けるのだから。
 また、高校野球イコール坊主頭というのも過去のことになってきたようで、個人的にはこれも喜ばしいことだと思う。私自身、昔は髪の毛が長いと根性が入ってないなどと言われたこともあった。5分刈りよりも3分刈りの方が気合いが入っているなんてアホ臭い風潮もあって疑問を感じていたものだ。それが今は茶髪こそいないものの髪を伸ばしている選手も当たり前のようにいる。まだまだ今の日本では茶髪にピアスの高校球児は受け入れられないだろうけど、そんな時代がきても可笑しくはないだろう。
 話は戻る。今の高校生、いったいどっちが本物なの?ということだ。もしかしたら普段も街で普通の高校生とすれ違っているのに、目立つガングロ系高校生ばかりに気を取られているのかもしれない。いやそうに違いない。大人達が面白がってそんな高校生ばかりを取り上げ、一番迷惑しているのが普通の(?)高校生たちなのだ。アルプススタンドの声援を見てそう信じたくなってきた。未来は明るいはずなのだ。

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