リレーコラムについて

新見志郎さんのこと

手塚俊兵

先週執筆された田中さんとはTCCの同期入会なので、まずは
私が会員になるまでのいきさつについてお話させていただこ
うと思います。

20年ほど前、大学を出てから私が転がり込んだのはある食品
メーカーのハウスエージェンシーでした。そこで初めてTCC
年鑑なるものを目にし、俺もここに載るような仕事をしてみ
たいなーと期待に胸を膨らませました。しかしコピーライタ
ー見習として採用された私には、先輩の原稿を清書(当時ワ
ープロさえありませんでした)するのと店頭POPや流通向け
挨拶文を書く仕事しかありません。そんな社会人デビューを
しながら、一方で宣伝会議のコピーライター養成講座にも通
いだしました。そこで出会ったのがTCC会員の新見志郎さん。

髭の似合うダンディオヤジの新見さんは、いい点を見つけて
誉めてくれる教え方をされました。三原魔術で有名な三原脩
監督の選手育成方法は「短所を直すな、長所を伸ばせ」だっ
たそうですが、それに似てなくもありません。ここいいじゃ
ないか面白いぞと言われ、アホな私はその気になってコピー
を書きまくりました。授業後はたいてい酒になりました。こ
こで私は今の仕事はつまらない、違う会社に行きたいといつ
もグチりました。そんなとき新見さんは、いきなり自分のや
りたい仕事はできないぞ、でもそのうちチャンスが来るから
頑張れと、私を励まし続けてくれたのです。怒られたという
記憶もありません。新見さんと過ごす時間はいつも心地いい
ので、講座卒業後も新見さんの会社へ作品を見せによく顔を
出すようになってました。

そんなある日のこと。私のファイルをめくっていた新見さん
の手がある作品のところで止まりました。「ダイズモンドか。
これTCCに出してみたらどうだろう。こっちの普及の名作と
いっしょに」。ダイズモンドも、普及の名作も、新見教室で
学んだ私が書いた豆乳の広告のキャッチフレーズです(この
ころ、入社して数年たった会社で、業界紙等の広告をようや
くやらせてもらえるようになりました)。そして私は初めて
の応募で新人賞をいただき、TCCの会員になることができ、
新見さんは我がことのように喜んでくれました。

入会後も公私にわたってお世話になっていた新見さんが突然
他界されて7年になろうとしています。いま、さみしさが、
じんわり募っています。

NO
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