地獄の設定についての、とある説。(下)
※前編から続きます。
http://tcc.gr.jp/relay_column/edit/id/4190
地獄の設定には、なるほど、と思うものもありますが、調べていくと途中からあまりに荒唐無稽なものが多くなっていく事に気がつきます。
最初は小さな冗談から始まり、徐々に大ボケへとエスカレートしていく。この地獄の設定、何かに似ていませんか?そう、大喜利です。
「そこまで?!悪人が死後受けたきっつ〜い罰とは?!」というお題に対し、
最初は
回答者:「虫を殺しただけで1兆年苦しむ」
司会:「長っ!」
回答者:「剣山みたいな山に登らされ続ける」
司会:「痛い!痛い!」
とかやってたのが、
回答者:「人里離れた荒野の街道で酒を売った者が落ちる」
司会:「・・・それ、悪い事してなくない?!」
回答者:「獄卒が様々な苦しみを与えた上で、説教して反省させる。」
司会:「ここで説教?!」
みたいな段階を経て、
回答者:「349京2413兆4400億年拷問を受け続ける」
司会:「力技できたね〜」
回答者:「嘘をついて上司を陥れると、斬られたところに草を植えられ、成長すると引き抜かれる。」
司会:「何その世界観・・・?」
てな感じで、地獄の設定が徐々に固まっていったのではないでしょうか。もしかしたら、そのうち、勝手に盛り上がって、
回答者:「あまりに罪状がマニアックすぎて、全然人が集まらない地獄がある」
司会:「よく来たね!なんつって牛頭馬頭に歓迎されちゃったりなんかしてね」
回答者:「新年は地獄にものんびりしたムードが漂う」
司会:「あけおめっ!」
みたいなやりとりがなかったとも言えなくもありません。
大喜利の成立が一説には江戸時代初期と言われていますが、それ以前に早くも日本には大喜利が根付く素地があったと言えます。日本のお笑いが進展したのはこの地獄というものの存在に寄与するところが大きい。また、逆に、地獄も地獄でこの大喜利文化により価値を再認識された側面があるやもしれません。
というわけで、私はここに、「地獄の設定、大喜利で決めていたんじゃないか」説を提唱します。
ちなみに、こうやってTCCという集まりの中、いい加減なことを言い続けている僕は、大叫喚地獄に落ち、その中の、双逼悩処(そうひつのうしょ)にて、炎の牙の獅子に何度も噛まれて苦しめられることになりそうです。転生するには少し時間がかかるということで、皆さん、また6821兆1200億年後にお会いしましょう。
4619 | 2019.03.17 | どう?概論3 審議会メンバーと登場人物 |
4618 | 2019.03.14 | どう?2 「評価と講評」 |
4617 | 2019.03.13 | どう?概論1 |
4192 | 2016.12.23 | ある職人の悲哀。 |
4191 | 2016.12.22 | 地獄の設定についての、とある説。(下) |