リレーコラムについて

漫才とコピーの話

藤田卓也

渋谷で、漫才を見ました。
しかも円山町で。
歓楽街なのに。

お目当ては「倉本美津留の太鼓判」。
放送作家の倉本美津留さんが
「確実に面白い!!!」
と太鼓判を押す芸人だけのライブ。

これがとんでもなく良かった。

もちろんネタも面白いんです。
無名の若手コンビでも凄まじい受けっぷり。
会場の熱気がぐんぐん上がっていく。
さすが倉本さんのチョイスやで!
で終わらせるわけにはいかないほどの盛り上がり。
だからいろいろ考えてみたんです。
そして気付きました。
チラシに載っている、倉本美津留さんの推薦コメント。
これがめちゃめちゃ効いてるんです。

たとえば、若手のAマッソ。

―――――
笑いを引き出すためのボキャブラリーとそのチョイスのセンスがズバ抜けてる加納、感情の起伏でうまいことリズムと空気を作る村上。笑いのことしか考えていない女たち。予想を裏切る切り口を開発しようとする探究心で、性別を超えた、普遍的でシュールな笑いを追求している。それはそうと、その舞台衣装のチョイスはなんやねん! それも含めてのアホ。ええぞ、ええぞ~!
―――――

Aマッソの紹介文という域を超えて、
手放しでべた褒めする推薦文の域も超えて、
楽しみ方のレクチャーになってるんですよね。
見る人に、視点を与えてくれている。
このコメントを読んだ上で見るライブは圧巻でした。

考えてみれば、倉本美津留さんって巧みな言葉の使い手です。
個人的には名コピーライターだと思っています。

いちばん好きなのは、ことばを重視してつくられた
「ことば絵本 明日のカルタ」という絵本です。
明日を生きる人へのメッセージとして書かれたこの本に、
こんな一節が出てきます。

“ キリンの特徴を 首が長い以外で答える カッコよさ。”

じんわり来る言葉で大好きです。
まだ知らなかった、視点をそっと教えてくれる。
僕もいつか、こんな視点で世界を見れる日が来るのでしょうか。

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