リレーコラムについて

「主語」をクリエーションする。

並河進

「あれ、結局、うまくいかなかったんですよね。」
という言葉がある。

この文章には、決定的に足りないものがある。

「主語」が足りないのだ。

「あれ、結局、僕ができなかったんですよね。」
なら、その文章の中に「自分」という主語が生きている。

広告の世界で働く人たちは、
「動詞」に強い。

「こういうことをやってみよう!」とか
「こんな風にしたら面白いんじゃないかな?」とか
そういうアイデアをどんどん出すのは得意。

そのとき、暗黙の了解として、
「クライアントが」という主語がある。
もちろん、クライアントから頼まれた仕事なら、
それでいい。

でも、自分の心の中をのぞきこみ、
「こういう考え方をかたちにしてみたい」と願い、
その概念をスタート地点に、
プロジェクトやしくみ、アクション、ムーブメントを
生み出そうとするとき、
考えなくちゃいけないのは、
それを生み出す「主語」だ。

有志のユニットでもいい。
社内横断チームでもいい。
他の企業と合同でチームをつくるのもいい。
たくさんの人が参加できるネットワークでもいい。

新しい職種を考えて、自分で名乗りだす、
というのも、主語をつくる、ひとつのかたちだ。

「動詞」は、成功することも失敗することもある。

ひとつの動詞が成功しても失敗しても、
主語さえあれば、その「主語」を成長させていくことができる。

ところで、僕には、
自分もメンバーのひとりとしてはじめたい、
アーティストユニットの構想があります。

コピーライター数名のメンバーたちが、
コピーの朗読をする、という
新しいかたちのアーティストユニット。

ぐっとくる系のコピーで、
ちょっと、ナルシスティック。
その気になって朗読しているのが、
見ているほうも恥ずかしくて、
でも、それが、妙にくせになる感じ。
気づくと、すこし感動しちゃってる感じ。

ああ、デビューしたいなあ。

そして、音楽の世界に、
「コピーリーディング」という
新しいジャンルを切り開きたい。

コピーは、歌を超えられるか。

近々、オーディション、しようかな。

自分がやりたいことを実現していく方法について、
明日も書きます。

並河進

NO
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名前
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5673 2024.03.18 小山佳奈 コピーライター思考。
5672 2024.03.14 小山佳奈 覚えていたい。
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