リレーコラムについて

やめさせてもらうわ

西田良平

はいどうも、大広名古屋支社の西田良平です。

最終回もよろしくお願いします。

言うてますけど。

やめさせてもらう前に
本日は、特にこれといったご要望もない、

『おかんの家出と、ひらかたパーク。』
『おじいちゃん、おばあちゃんにナイトアタック。』

こちらの2本をお送りしたいと思います。

誰が興味あんねん。

ちょいと、ご主人。
そんなイケズ言わんといておくれやす。

というわけで。

『おかんの家出と、ひらかたパーク。』

あれは小学2年生、
ないしは、
6年生の頃だったと思います。

たぶん、5年生です。

ある休日、
大阪の枚方にございます、
「ひらかたパーク」に家族で出かけようということになりまして。

皆様、ご存じでしょうか。

ひらかたパーク。

関西では
USJよりはるかに人気のあるテーマパークです。

しらんけど。

なにせ、関西人が愛してやまない
憩いの場なのでございます。

数々の愉快なアトラクションがありますが、

なかでも一目置きたいのが、

「大菊人形」。

戦国武将などの人形が
菊まみれになって
つっ立っておられるのです。

「それを見る」という、ひととき。

ただ、それだけ。

そんなひらかたパークへ行くために、

おかんは朝からお弁当をこしらえてくれました。

楽しみだなぁ。

おにぎりをお腹いっぱい食べながら

菊くせえあいつらを見るんだ。

心を躍らせながら、
おとんと、おかんと、2つ下の弟と、
ホンダのシビックで、そいつらのもとへ
向かいました。

カーステレオから流れる
中村雅俊さんの「恋人も濡れる街角」。

ナイス選曲、おとん。

テンションあがるで、おとん。

はいでました、

おなじみ「渋滞」。

びっくりドンキーのメニューぐらいでかい
地図をひろげながら抜け道を探す、おとん。

「なんでこんな日に渋滞なんよ」

嘆く、おかん。

そうなると始まる、夫婦のファイツ。

「もうあかん!帰るで!」

おとんシビック、ブーーーン!!

中村雅俊のギター、ギューーン!!

家ついて
おかん弁当ドーーーン!!

ゴミ箱にダンクされる
これっくらいのおべんと箱。

嗚呼…

あいつらを見ながら食べようと思ってた
おにぎりが…。

え…

いやちょっとおかん…

なにしてんの…

気がつけば、おかんがボストンバッグに
荷物を詰め込んで
家を出ていこうとしていました。

パニックになる、
長男のわたくし。
次男の「良敬」。

家を飛び出し、
バス停に向かう「久子」。

「お父さんをよろしくね」

プシュ―。

バスの扉が閉まり、
おかんは行ってしまいました。

取り残された男3人。

とりあえず
できもしないキャッチボールを
無理矢理はじめる、おとん。

どうしよ。

おかん、家出してしもた。

おかん…。

これからどうしたらええんや…。

「あっついわ~」

次の日帰ってきました。

早っ…。

家に入るなり、
ボストンバッグに詰め込んだ荷物を
ひとつずつ出しはじめる、おかん。

パンツ。

まぁまぁ。パンツは大事やね。

パンツ。

まぁまぁ。2日目も安心やね。

パンツ。

まぁまぁ。そうか。
ずっと帰ってこないかもしれんかったもんね。

パンツ。

まぁまぁ…。

ボストンバッグをひっくり返して
中身を一気に出す、おかん。

パンツ

パンツ

パンツ

パンツ

パンツ

パンツ

パンツ

いやパンツだけかい。

おかんは、パンツばっかり詰め込んだカバンを持って
涙ながらに家出していたのでした。

なんやこの話。

そんなおかんも10年前に
光る雲を突き抜けフライアウェイしたのですが。

芸人になりたいと言ったとき、反対することなく
「一度きりの人生やから、ぜったい後悔したらあかん。」
と言ってくれたのも。

コピーライターになってはじめて自分で書いたコピーが世に出たときや
はじめてもらった賞であるOCC新人賞をいただいたとき、
最後の最後に、腫れた手で拍手しながらめちゃくちゃ喜んでくれたのも、
おかんでした。

だから今回、TCC新人賞をいただいて
いちばん喜んでいるのは、もしかしたら
おかんかもしれません。

たぶん今頃、「フゥーー!!」と言いながら
「いいちこ」を浴びまくってると思います。

おかんは、「いいちご」って言うてましたけど。

なぁ、おかん。

どうしようもない息子やったやろうけど。

やったで、おかん。

ありがとうやで、おかん。

『おじいちゃん、おばあちゃんにナイトアタック。』

いや冷めるわ。

どんなタイミングで放りこんできとんねん。

「良平くん、あのな。昨日の夜な。

おばあちゃんにアタックしてみたんやけど、

やっぱり使いもんにならんかったわ。」

おしまい。

というわけで、わたくしのコラムは終了でございます。

最後に。

あの…

コラムって

なんですか。

いや知らんまま書いとったんかい。

やめさせてもらうわ。

ありがとうございました。

さて続いて、無理やりバトンを渡させていただくのは、
クライアント様に「ああいうやつ考えてください。」と言われる
ああいうやつ第1位、
NTTドコモの「3秒クッキング」でおなじみ
東急エージェンシーの川地晢史さんです。

それでは川地さん、はりきってどうぞ。

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