リレーコラムについて

♪ 迷わずに

横田亜矢子

♪迷わずに SAY YES 迷わずに♪

メディアの資料!  はい、喜んでっ!
さっきの議事録!  はい、喜んで!
昼の買い出し!   はい、喜んで!
ジュース!      はい、喜んで
夜の会合!     はい、喜んで。
飲みに行くぞ!   はい、喜ん・・・。
もう一軒!      はい、よ・・・。
次はカラオケだ!  は・・。

クリエイティブ以外の部署にいた時
私は、迷わずにYESと言っていた。
いや、何も考えずにYESの方が正しいだろう。

ある日、先輩から、
サクッと飲み行くか!と言われ、
迷わずにYES。
その中には、別の部署の部長や同期もいた。

そしていつものトークが始まっていく。

どこのお店に可愛い娘がいるとか
今、いい感じの子がいるとか

たわいもない話をしたかと思えば、

いきなり
この業界のここがダメだとか
もっとこの仕組みをこうすればいいのにとか
昼に見せない先輩たちの考えや、
裏側の話を知れる時間でもあった。

話の流れで、
海外の成功した入隊募集のキャンペーンの話になり、
もっとああした方が良かった、などと盛り上がっていると、
いきなり顔色を変えた部長が、

「オレならぜってー断る!
戦争に関わりそうな仕事はしない」と言い切った。

ええ!?

今まで仕事を断った事がなかった私にとって
管理職である部長の「仕事を断る」という発言は衝撃だった。

「仕事って断れるんですか?」と思わず聞いてしまった。

意外な質問に戸惑いながら、
「そこに信念があればな」と答えてくれた。

そっか!
仕事を断る事って、出来るんだ。
そこにきちんと信念があれば!!

そうだった。
私は言われた事を何も考えずにYESと言って、
信念を持って仕事をしていなかった。
もっと、信念を持って仕事をしよう。
そう強く心に誓った。 

その後、お酒のおつまみとして
私の信念を何にするかで盛り上がった。

[人の幸せを第一に考える。
そのために可愛い子を先輩にたくさん紹介する。]

トイレに行っている隙に
私利私欲なものに決まりかかっていたので、慌ててストップ!

パッと思いついた
[嘘をつかない]
これにしたいと主張した。
頑固な酔っ払いは、すんなりと意見を聞いてくれない。
これがどんなに素晴らしいものかを説得するうちに、
自分の中でも結構いいじゃんと思っていった。
結局、みんなにはしぶしぶこれで納得してもらった。
自分の信念なのに他人に許可してもらうって…。

(つづく)

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