リレーコラムについて

マイペンライ

太田祐美子

朝起きたらすっかり熱が下がっていました。
元気です、太田です。

海外ロケから帰ってきて早々体調を崩したので、
ナントカ熱にかかってやしないかと
ちょっとだけ心配しました。

先週一週間、タイにロケに行っていたんです。
タイは2年ぶり、会社の研修でタイ支社に
行かせてもらっていた以来でした。

なにもかもが懐かしかったです。
ムワッとする暑さ。
クーラー効き過ぎの室内。
突然やってくる真っ黒な雨雲。
選べる麺、山盛りのパクチー。
目が合うたびにすこし恥ずかしそうな笑顔をくれる人たち。
ペットボトルのフタを開けられずに困っていると、
黙って開けてくれて、そしてまた笑顔で去っていく人たち。
「コップンカー(ありがとう)」というと、
返ってくる「マイペンライ」。

そう、「マイペンライ」。ああ、懐かしい。
ご存知の方も多いかと思いますが、これ、タイ独特の言葉です。
使用用途やその意味するところは多様っぽくて、
大きくは「気にしないでいいよ」
という雰囲気だとは思うのですが。

「コップンカー(ありがとう)」に対して
「どういたしまして」の意味での、マイペンライ。
「コートーカー(ごめんね)」に対して
「気にしないで」の意味での、マイペンライ。
このあたりまではタイにいた当時、
私も使っていたりしたのですが。

トュクトュクの運転手が高値をふっかけてきたとき、
じゃあ乗らない的な、ややムッとした調子での、マイペンライ。
辛いものを食べて涙を流している私を
指さして笑いながらの、マイペンライ。
打ち合わせに1時間遅れてきて開口一番、
マイペンライ。お前が言うな。
もうここまでくるとわけわかんなかったです。

でも、他の言語に訳せないその国の言葉でいいですよね。
その国の価値観とか空気感がよく出ていて。
日本語でいうとなんだろう。
「ごちそうさま」とかですかね。
いや、ちがいますかね。どうですかね。
ま、マイペンライ。

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