リレーコラムについて

打ち合わせ減りました。

児島令子

2002年に私は、
「ファーストプレゼンに愛をこめて」というコラムを書いてます。
https://www.tcc.gr.jp/relay_column/show/id/768/page/1
ファーストプレゼンとは、チーム内プレゼンのこと。
つまり打ち合わせの場で、はじめてコピーを見せるときのことで、
それをいちばん大切にしてるよ。愛をこめてるよ。という話。

2014年。
そもそも、打ち合わせ自体が減りました。

ファーストプレゼンに愛をこめたいのはやまやまなのですが、
チームが一同に集まった場で、いざコピーを見せるぞ
というステージが減ってしまったのです。

なぜ減ったのか。
私は「忙しそうな人」と仕事をすることが多いです。
某CD、某AD、某プランナー、みなさん忙しそうで、
年を経るごとに「ますます忙しそうな人」になってます。
※忙しい人でなく、忙しそうな人と書いたのに他意はありません。

私はといえば、彼らに比べれば、それほど忙しくはない。
だけど私には、東京ー大阪500kmというハンデがあります。

つまり、「とても忙しそうな人、複数名」と、
「それほど忙しくはないけど東京に毎日いない私」が、
スケジュールを合わせて打ち合わせを持つのはけっこう大変。

そこで、空中戦です。
考えた企画書とコピーを一斉送信。
それに対する反応がメールで来て、その反応にまた反応する。
そんな空中打ち合わせを重ねるうちにカンプができあがっていく。

仕事によっては、まったく一度もリアル打ち合わせをせずに、
クライアントプレゼンに臨むことも最近は少なくないのです。
あ、これはここだけの話ですよ。
ぜったいよそで言わないでくださいね。

だけど、こんなことでいいのでしょうか?

昔みたいに、
さも大事そうに1枚1枚、紙芝居方式でコピーを見せ、
熱く真摯に相手の目を見てコピーの意図を語り、
さあ、この指とまってくれますか?と審判をあおぐ。
もう、そんなカタルシスはないのでしょうか。

ないのは寂しいですが、
空中戦には空中戦の良さがありますね。

まだあまり案が固まってないけど、
とりあえずみんなの反応を知っておきたいときは、
速報版というタイトルでファイルを送る。暫定版でも可。
(反応が良ければ、そのタイトルのことは忘れる。)

メールの最後に必ず、
「ひきつづき考えます」という健気な言葉をつける。
(反応が良ければ、その言葉は忘れる。)

要するに24時間いつでもコピー提案できるわけだから、
朝令暮改もできるし、
精神的には空中戦の方がラクな気もします。

リアル打ち合わせで、一発入魂で勝負を決めるぞという覚悟も、
いいコピーを生み出すにはとても大切だし、
空中戦でフレキシブルにコピーライティングを進めていくというのも、
気のあった仲間との仕事ではいい結果がでますよね。

さてみなさんはどうですか?
私は5回に1回くらいはリアルな打ち合わせで、
ファーストプレゼンに愛をこめたいかな。

以下は全くの余談です。(忙しい方はスルーしてくださいね)
空中戦と言えば、、、、、
私は昔、新人賞とってまもなくの頃、電話とファックスのみで、
ただの一度もスタッフにもクライアントにも会うことなく
東京の仕事をやったことがあります。
それは心斎橋パルコとクラブクアトロの広告で、
東京のパルコ宣伝部から突然電話があったのです。
(コピー年鑑の力ってやっぱりすごいですね。)

新聞、ポスター、CMまであるという夢のような仕事で、
しかも、ADは井上嗣也さん、カメラは確か三浦憲治さん、
出演者は、細野晴臣さん&忌野清志郎さん&坂本冬美さんの3人で
当時結成されたユニット「HIS」。(3人の頭文字ね。)
CMのナレーターは原田芳雄さん。
ものすご~いビッグネームばかりで、もう超ドキドキしました。
ま、私は大阪からコピーを送っただけなんですけどね。
コピーは、「うちの娘、来てますか?」
うちのこって読みます。うちのむすめじゃないです。
このコピー気にいってたんだけど、
年鑑には載らなかったです。ショボン。。。。。

試しに検索してみたら、な、なんと!ありました。なつかし〜。
http://www.youtube.com/watch?v=KWLDW5TGu68

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