リレーコラムについて

読むとみるみるコピーが書けなくなるコラム④と、出版予告。

児島令子

いきなりですが、12月下旬に、渋谷のTCCクラブハウスで「reico kojima 出版記念パーティー」を開くことになりまして……いや、迷惑だってば!事務局の皆さん忙しいんだから。そんなパーティーなどは絶対無いですが、でも本は出版されます。詳しくはこのコラムの最後をぜひ読んでね。

 

本日も、読むとコピーが書けなくなる怖いコラムいきます。みなさん、心の準備はよろしいでしょうか?いまここで、そっ閉じしてもいいんですよ。いや出版予告だけは読んでね。では、昨日にひきつづき、構文系でいきます。

「1行目と2行目が似てるぞ」構文

これ、わかります?勘のいい人は、ああ、あれねとピンときたと思います。では、すごくベタな例文どうぞ。

くだらないリレーコラムは許せるが、
怖がらせるリレーコラムは許せない。

自分の本の話ばかりする人は、
友人の本の話を聞いていない。

はい、1行目と2行目が相似形のやつです。このタイプ、けっこう目にしますね。宣伝会議賞の審査をしてると必ず出てくる。他の賞でも出没しますが。いま、手元にあったSKAT(宣伝会議賞の作品集)を見たら、たくさんありましたよ。

さて、上記の例文は、ほんまにベタすぎてダメダメですが、この構文で、ちゃんと発見があって素晴らしいコピーもあるのです。コンペじゃなく、普通の仕事でも見かけます。もうコピーの定型として、ひとつのステイタスを築き上げているのかもしれません。

だから私がとやかく言うことじゃないのです。
でも、それを言うのがこのコラムの企画なんで言います。もちろん、若い人に向けてですよ。

いい視点や発見もないのに、ただ言い回しにあてはめていくだけのやり方をとるのはちょっと危険です。昨日の「~のために~ができること」と同じく、なんか書けた気になってしまうから。もしその人が、コピーってこういうもんでしょという大いなる誤解をしていたら、早く誤解を解いてあげないと、時間と労力を無駄にしますから。

実際普段の会話で、こんな言い回しする人いますか?もし、バーのカウンターで、

気の抜けたビールはうまくないが、
気のおけないガールはいいもんだ。

とか言って、隣の女子をナンパするおじさんいたら…いや、さすがにいないって。(これならまだLINEのおじさん構文の方が愛すべきですよね。)つまりこういうベタなやつって、コピーの世界にだけある言い回しってこと。コピーライターがコピーの世界を狭めちゃいかんです。

結局構文系って、左脳コピーじゃないでしょうか。右脳コピーが心に直接届いてエライ。左脳コピーは脳を通すからだめって言うつもりは、私にはないです。でも、左脳コピーを書くなら、よっぽど左脳が喜ぶものでないとだめだとも思うのです。

知的な左脳くんに、こう言わせなくちゃ。
「え?なに?お!こうきたか!ああ、なるほどね~。新しいことに気づく快感をありがとう!」ってね。

構文ありきで、構文にあてはめて書くんじゃなく、いい視点、いい発見があって、たまたま構文だとぴったりっていうのならぜんぜん使っていいと思います。というか結果として構文になっただけということ。「妻子ある人を愛したんじゃないんです。愛した人にたまたま妻子がいただけなんです」みたいな?いや、違うか。

 

◎ここから出版予告です。

私のコピーの本が、パイ インターナショナルから12月23日発売予定です。タイトルは、「私、誰の人生もうらやましくないわ。」で、サブタイトルが「児島令子コピー集め」。よろしくお願いします。

昨夜、本文の最終デザインが上がってきました。自分で選んだコピーで、自分でページ構成考えたのに、ページを送るたびにデザイン見て、おおっ!とか、うふふとか、ほう~とか、楽しい…。早くみんなに手にとってもらいたいです。

「おいおい、もう4日目なんだが、いつになったら値段のことを言うんだい?」「言わないってことは、やっぱりお高いんでしょ?」という声に、本日はお答えします。

キャッチだけでなくボディもたっぷり読めて(ほとんどのコピーがボディ付き!)、書き下ろしコラムも充実していて、はたしてそのお値段は???ジャーン!(本体1400円+税)です。

「1400円ですって?おやす~い!」(夢グループのお姉さん風に)。「はい、学生さんや広告関係以外の方にも、気軽に買っていただけるように、このお値段にしたんですよ~」(夢グループの社長さん風に)

ほんとに1400円がお安いかどうかは、12月にあなたの目で確かめてください。

あしたは、いよいよ最終回です。

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名前
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