リレーコラムについて

学歴社会バンザイ。

佐藤舞葉

先日会社の先輩と打ち合わせをしてたとき。
ひょんなことから先輩の友人のお子さんの話になった。

「友達んところ、男の子なんだけど、ちょっと変わっててね、
とにかく算数が好きで。小学校入学する前から九九ができて、」

「わかります、それ。
私も小三ですでに円の面積の計算とかできてましたから」

「今小学校二年生なんだけど、算数になるとすっごく集中するんだって」

「へ~」

「周りが見えなくなっちゃうんだって」

「いいじゃないですか」

「ごはん食べるのも忘れちゃったり。他のことに全然興味がなくって、
他の授業だと席たっちゃったりするんだって」

「わかります、それ。
私もよく授業ぬけだして怒られてましたから」

「忘れ物も多くて、宿題もどんなに厳しく言ってもしてこなくて、
遅刻ばかりで学校の成績も悪くって」

「わかりすぎます。
私も書道の時間に書道の道具をもっていったことってなかったし、
夏休みの宿題は8月31日どころか、9月はじまってからどころか、
2学期の終わりかけに先生に泣きつかれてようやく提出してましたし、
遠足の集合時間に平気で2時間くらい遅刻してひとりだけ違うバスに乗ったりしてました」

「…そうなんだ」
「そうなんですよ」

「でも、その子それが原因でね」
「はい」

「今では特別学級に通ってるんだって」

「…え!?」

「だからお母さんもたいへんみたいで…。
そういう子どもでも、
マイハちゃんみたいに
立派に社会人やれてるんだって、伝えとくわ」

―成人期「ADHDの正しい理解のために」―

この動画を初めて見たとき、あまりにも「自分」すぎて、
息が苦しくてしかたなかった。

私が子どもの頃はこういう病気は認知されてなかった。
うちの親はそういうことに全く無頓着だった。(私が小学生のとき脊椎側弯症と診断されたにも関わらず放置していたため私の背骨はいまだに曲がったままだ)

そのせいか、私は特別学級に通うことはなかった。

ただ、私自身は自分の問題点について小さい頃から痛いほど自覚していた。

「このままではマズイ」。
そう思って18歳のときに「なんとか生き抜くための独自メソッド」を開発。
「人並み以下」の自分が「人並み」に生きていくにはせめて学歴という武器が必要と結論付けられた。
そうして偏差値30から京大に合格した。運よく電通に就職することもできた。

だから、
最近の全人格的な評価に入試制度がシフトする風潮、
個人的にはマジ勘弁してほしい。

以前AERAに「東大生の悩む発達障害」といったような記事が載っていたが、
根本的に間違っている。

東大生なのに発達障害なのではない。
発達障害だから東大生になるのである。

棋士の米長邦雄の「兄達は頭が悪いから東大へ行った。自分は頭が良いから将棋指しになった」という言葉は有名であるが(注:実際はこんなセリフは言っていないらしい)まさにその通りだと思う。

なんの取り得もない。人生ハードモードのやつを救ってくれることのひとつが学歴。

以前先輩にこんなことを言われたことがある。

「マイハ、勉強できてよかったな…

もし、学歴がない時代、

例えば…江戸時代かなんかに生まれてたら…

おまえ…、口減らしだぞ」

だから、私は声を大にして言うのだ。

学歴社会、バンザイ。

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