人間あるある:いずれ死ぬ②
バービー・ボーイズの「目を閉じておいでよ」や石井明美の「CHA-CHA-CHA」に乗せて「○○あるある早く言いたい~♪」を延々と繰り返しなかなか「あるある」を言わない。最後の最後でサビを使ってようやく一言「あるある」を言うのだが、その「あるある」が微妙なため周囲から「なんやねん!」とツッコミを受ける団体芸―。
これが、よく知られているRGの「あるある」芸である。
この芸において「発明」とされている部分は「あるある早く言いたい」と言いながらなかなか言わないというフレームであり、「あるある」の精度は二の次。なんなら微妙な「あるある」であればあるほど、前フリとのギャップが生まれ笑いが起こる、という構造になっている。
しかし、これはあくまで「テレビサイズ」の「あるある」芸でしかない。
彼の「あるある芸」の本質はその「あるある」そのものにあるのだ。
RGの生み出したあるあるを一つ紹介する。
OLあるある:羽織りがち
―どうだろう?まるで完成された数式のように美しいあるある、ではないだろうか?
「万物にあるあるは存在する」
これがRGの座右の銘であり、彼の「あるある芸」のテーマである。
情景を上手いこと切り取るだけがあるあるなのではない。
人と人との間をつなぐ「共感」全てにあるあるがある。
「あるある」即「真理」。
「人間」と書いて「あるある」と読む。
目を閉じて、RGの生みだす「あるある」に耳をそばだててみよう。
そこには、無限の宇宙が広がっているではないか。
私は、すっかりRGに感化され、いつの間にか「あるある信者」になっていた。
そんなある日、
「あるある」系コピーを書いて先輩のところに持っていったらこんなことを言われた。
マイハの書いてるコピーは、
いつもここからが、
「悲しいとき~」
「誰かが死んだとき~」
って言ってるようなもんだぞ。
そういう当たり前のことじゃなくて
誰も気づかなかったような、
でも言われてみると「なるほどそうだなっ」て
思えるようなことじゃないと
ひとの心は動かせないんだよ。
そうなのだ。
RGのような
「真理系あるある(←勝手にこう名付けた)」
はかなりの高度な技術を必要とする。
「素人にはオススメできない」火傷必至のワザなのである。
しかし、そのとき既にRGによって「あるあるノイローゼ」になっていた私は、
一周回ってこう思ってしまった。
「悲しいとき~」
「誰かが死んだとき~」
…めっちゃおもしろいやん。
RGの「あるある論」については
「オードリーのオールナイトニッポン」でRGがゲストの神回があるので
興味がある方はぜひ聞いてみてほしい。
http://www.youtube.com/watch?v=k1tFj4p6564
最後に、
私が選んだRGのベストオブベスト「あるある」を紹介して終わりとしたい。
折りたたみ自転車あるある:折りたたまない。
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