リレーコラムについて

富士山で、UFO。

永松聖子

プレゼンも終わり週末どこかに行きたいと思っていたら、エベレストから戻ってきた友人に誘われて、富士山に登ることになった。素人だから心配だったが友人は「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と言うので、素人3人、山好きの友人1人、計4人で登ることになった。

早朝車で5合目まで行き、車を駐車して登り始めた。最初は高山植物の写真を撮るなど余裕があった。徐々にこう配がきつくなり、やがて岩と石と砂と赤土の、埃っぽく、地獄のような視界が広がっていった。富士山は遠くで見ていれば良かったと、かなりへこたれた。徐々にみんなの口数が減っていった。私は黙々とついて行った。少し平坦な道に出ると、山好きの友人は「へーちは、へーき!」と言いながら走って行った。平地に見えるが実は坂道なのに、すごいなーと思いながら、素人3人はひたすら歩いた。しばらく行くと前方に山好きの友人がうずくまっている。泡まで吹いている!これはやばい、高山病?と思い、そばにあった山小屋で携帯酸素を買い、吸わせた。

やがて友人は落ち着きを取り戻し、よろよろと歩き始めた。しかしショックが大きかったのだろう。ダジャレもなし、オーラもなくなった。荷物は私たちが手分けして持った。気が付けば、雲が下に見えた。つまり私たちは雲の上にいるのだ。それには感動した。かなりやる気が出て、とにかく山頂を目指した。脳は嫌がっているが、足は1歩を踏み出す。「足の勝ちー、ハハハハハ。」ハイになり、壊れかけた時、頂上が見えた。最後の1歩を上り、ついに山頂に出た。達成感や感動を味わったが、その後の記憶がない。

私はUFOの中にいた。宇宙人は石のローラーで私をすりつぶし、DNAを採取する気らしい。まずドリルで頭に穴を開けて検査。あ、痛―い!頭が割れる。と、目が覚めた。頭がガンガン痛い。正夢?いや、酸素の薄いところで眠ったから酸欠したようだ。朦朧としながら、とにかく下山と、ひたすら下山した。雲が晴れるように、嘘のように頭痛は消えていった。

ということで、私の富士山頂での写真はない。今となっては、登ったこと自体夢かもしれない・・・。

NO
年月日
名前
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