リレーコラムについて

シャーシャー鳴る街

納健太郎

こんにちは。

電通西日本の熱血CD・清水清春さんから
バトンを受け継ぎました
中野直樹広告事務所の納健太郎と申します。
神戸で生まれ、京都で学び、大阪で働き…
と、いい具合に煮ころがされた関西人です。

自民党が圧勝した衆院選の直後、
またリレーコラム界を揺るがした“電通西日本ウィーク”の翌週、
みんなの気持ちも何かと落ち着かないこの一週間。
僕が体験したどうでもいい話や、本当にどうでもいい話でお茶を濁していこうと思います。
それどころじゃない方も多数いらっしゃるでしょうが、
そこを何とかよろしくお願いします。

一日目の今日は、20年くらい前に僕が大阪で体験した、
ちょっと不思議なお話です。

「シャーシャー鳴る街」

神戸から野暮用で訪れたその日の大阪は、
街中がシャーシャーシャーシャー
何とも奇怪な音に包まれていました。
大雨が降っているわけでも、
クマゼミが鳴いているわけでもなく。
地下街でもシャーシャー、地上に上がってもシャーシャー、
ビルに入ってもシャーシャー。
目の前の景色はまったくいつもの大阪なのに、音の世界だけが
異常で、なんだか異次元に迷い込んだ気もしてきました。

もうひとつ不気味だったのは、街中こんなにシャーシャー
騒がしいのに、大阪の人たちは意に介する風もなく、
まったく普通に行動していることでした。
こんな音を出し続ける大阪も大阪ですが、
細かいことを気にしない大阪人も大阪人です。
音に動揺してきょろきょろしているのは、見渡すところ自分
だけ。おかしい、おかしい。街中もう少しパニックっぽく
なっていいはずなのに。なにか狂ってる。
怪奇大作戦かウルトラQに、こんな話あった気もする。

シャーシャー音は、帰りの阪急・梅田駅までもを包み込んで
いました。
いやーな感じを引きずったまま、それでも切符を買おうと
カバンを開いた瞬間、突然すべてが明らかになりました。
犯人いました。

「電動毛玉取り機」。なぜかカバンに入っていたこいつに、
なぜかスイッチが入り、シャーシャー健気に刃を回転させて
いたのです。
街が鳴っているのではなく、僕自身が雑音を連れ歩いていた、と。
すまん、大阪。勝手に街のせいにして…。
ま、そんな思い込みのおかげで、ちょっとしたSF気分に浸る
ことができたんですが。

(結論のようなもの)
●人は自分が発している音や臭いを、まず他の誰かのせいに
 しがち。
●幽霊を見た!とか怪奇現象!とか。そのほとんどは
 当事者の脳が勝手に思い込んで、作り出したものかも。
●大阪の街はなんにも悪くない。

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