リレーコラムについて

おんな男おとこ女

尾形真理子

この仕事をしていると、
「ちょっと女性の感覚で意見を聞きたいんだけど」って言われることが多いです。
「女向けの商品だから、女のコピーライターがいい」とか。

お仕事をもらえてありがたいと思いつつ、
果たしてわたしは「女」というシロモノを理解しているのか?
と不安になることも多々あります。
女の気持ちなんてちゃんと分かっているのか?
そもそもどうやったらこの人を口説けるか?の延長線上に
コピーはあるものだと思うので、
男の人の方がよっぽど女性の心を考え尽くしているのでは?
「女のコピーライターだから、理屈じゃない女心を知っていて、
女性に刺さるコピー書ける」というのには、
どこか無理があるような、釈然としないような気がしていました。

しかし、
そんなことをどんなに考えていてもきっと答えなんて出ないし、
目の前に仕事は溜まっていく一方だし、
男だから、女だから、という視点で何かを悩んでも、
わたしの性別は変わらないわけで。
そこで立ち止まるのが、ある意味女々しいというか、
ムダというか、ナンセンスだなーと、
男前に思うようにしていました。

先日お友だちの家に集まってみんなでごはんを食べた時、
6歳の男の子と2歳の女の子がいました。
「誰が教えたわけでもないのに、
息子は乗り物、娘は人形に不思議とハマるんだよね」と
性差について話をしていると、
その横でウトウトしはじめたお兄ちゃんに、
妹が蹴りかかっている姿がありました。

その姿を見て、
「ああ、そうだ。みんな男と女と半分ずつでできている」と
いうことに、ようやくわたしは気づいたのです。
女から女が生まれるわけではなく、
男から男が生まれるのでもない。
父親と母親から半分ずつ何かをもらって、自分が生まれた。
そう考えれば、わたしの中には女も男もいて当たり前だ。
みんな「おんな男」で「おとこ女」なんだって思ったら、
単純にいろいろスッキリしました。

来週のコラムは・・・
わたしが入社するときに、
面接で「どんなコピーライターになりたいの?」と聞かれて、答えた人。
呉さんです。

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年月日
名前
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