リレーコラムについて

湯けむりの向こう側

葛西洋介

小学生の頃、友達どうしで
銭湯に行くのが流行りました。
ハダカのつき合いというか、
互いの成長を確かめ合うというか、
絆を深めるための遊びだったのでしょうか。
その日は3人で銭湯に行きました。

湯につかって、頭と身体を洗い、
一通りの行程を終えたあと、
湯船のフチに3人並んで座り、
湯に足を入れてボーッとしていました。

目線の先には、洗い場があります。
湯けむりの向こう、
鏡の前で、こちらに背中を向け、
一人の老人が仁王立ちしていました。
老人の両脚の間から、
立派なモノの後ろ姿が覗いています。

それを見た友人が、つぶやきました。

「でかい」と。

それはもう、地へ向かって伸びる、
新種の生物のような。

3人しばらく、眺めていたと思います。



ふと、友人がつぶやきました。

「ようすけ、 あれ、 ウンコじゃねえ?」

そう言った瞬間、モノは床に落下しました。
老人は、仁王立ちしたままでした。

帰り道、僕らの口数は少なかったです。
ココロの傷は、ケロリンでは治りません。


一週間、ほぼウンコの話ですみませんでした。
唐突ですが、明日は妹の結婚式です。
絵美ちゃんおめでとう!
ウンコの話ばかりする兄でゴメンね。
ちなみに、結婚を両親に報告するときのセリフ
「お嫁にいっても、お父さんは、ずっと私のお父さんだよ。」
という言葉は、ナイスコピーだと思いました。
ここに書いておけば誰かが何かの広告で
使ってくれるかもしれません。


さて、来週のリレーコラムは、
博報堂の野澤幸司くんが書いてくれます。
宣伝会議「梅本クラス」の同期です。
昔、パラドックス・クリエイティブの
入社試験を受けようと僕が誘ったら、
野澤くんだけ受かりました。そんなステキな男です。
野澤くんよろしくお願いします!

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