リレーコラムについて

人生に外国語は必要か

武重浩介

先日書店で「日本人の9割に英語はいらない」というタイトルを目にしました。

ん〜どうなんでしょうか。
ちょっと無責任なタイトルに聞こえるのは僕だけでしょうか。
※あくまでもタイトルの話です。興味ある方はぜひ読んでみてください。

僕は日本人にも英語、外国語は必要だと思います。

話せるレベルとかはどうでもいいんです。
カタコトでもコミュニケーションできればいいんです。

外国語を勉強するのは、災害に備えて避難用具を備えるのと同じだと思うんです。
海外で何かあったときや、日本で外国人とトラブルにあったときに
コミュニケーションできないと自分の身に危険が及ぶ。
だから外国語が話せることに越したことはないんです。

なぜこんなに熱弁するのかといいますと、
海外赴任して一週間後にある事件がおきたんです。

このときは台湾だったんですが、
家の近所を歩いていたら声をかけられました。

振り返るとそこには、顔は武井えみ、体はミスユニバースな
女性が微笑んでいたんですよ。僕にむかって。

話しを聞くとその子はスポーツジムで働いていて
まぁ、ただの勧誘だったのですが。
もしかしたらパーソナルトレーナーなんじゃないかとか
どうにもこうにも妄想が止まらなくなり入会したんです。

翌週ジムに行ってみると、男性と女性のフロアが別なこともあって
そこには武井の「た」の字もありません。
でも設備がよかったのでそれなりに気分がよかったんです。
ただ一つのことを除いては。

それは、マシンのレイアウトが変なんです。
同じマシンが向かいあってるんで、男同士目があうんですね。

海老みたいに反る背筋マシンありますよね。
あれで僕がぐーっと反り上がったときに、
向かいの男性もぐーっと反り上がるんです。
で、目が合うと満面の笑みなわけです。
武井えみじゃなくて、男の笑みなんですよ。
タンクトップに角刈りの、海老反り男の。

まさかと思ったんですが、
シャワールームでそのまさかが確信に変わりました。

僕が生まれたままの姿でシャワーを浴びていると
背後から視線を感じたんです。

振り返ると、、、奴がいたんです。
さっきの海老反り男が。織田裕二も真っ青ですね。
閉めてあったカーテンを全開にしてこっちを見てるんです。

で、中国語でバーッと何か言ってるんです。僕のカラダを下から上まで凝視しながら。
やばいですよね。昔映画でみたアメリカの刑務所の1シーンみたいに
僕は大切なものを失ってしまうんじゃないかと思いますよね。

僕は女性が好きなんだ。ノーマルだからごめん。
とか何とか言わなければ。頭の中は全回転、一分の隙もありません。

でも当時の僕が知っている中国語は、ニイハオとシェイシェイのみ。
まるで猿ぐつわをはめたように言葉がでてきません。

でも何か言わなければ!意思表示をしなければ!アーッ!

で、とっさに口を突いてでた言葉が、

「…シェイシェイ。」

受け入れてしまったんですよ。

海老反り男を。

現地で身につけた完璧な発音で。

いや〜怖いですよね。

だから、外国語でコミュニケーションできないと危ないんです。

「日本人の9割に英語はいらない」
このタイトルはキャッチとしてのヒキはありますが、
ちょっと無責任な感じがするんです。
どう責任とってくれるんですか、海老反り男に襲われたら。

コピーって目立つだけだと逆効果なこともあるんですよね。そこに誠実さがないと。
目立つけど、誠実なコピー。書きたいですね。

NO
年月日
名前
5691 2024.04.20 長谷川輝波 #マイナス5キロジーンズ@韓国の街中
5690 2024.04.17 長谷川輝波 言葉オブザイヤー@新宿ゴールデン街
5689 2024.04.12 三島邦彦
5688 2024.04.11 三島邦彦 最近買った古い本
5687 2024.04.10 三島邦彦 「糸井重里と仲畑貴志のコピー展」のこと
  • 年  月から   年  月まで