リレーコラムについて

仕事と生きること「神宮球場」

大友美有紀

本日2回目の投稿です。

実は、最初に神宮球場のことを書いたのにはわけがあります。
人生ではじめて仕事をしたのが神宮球場だったのです。

仕事といっても、コピーライターとしての仕事じゃないです。
アルバイトをしていたのです。高校生のとき。
カップラーメンにお湯を入れて売る、売店の仕事です。
今は、そんな売店ありません。ずっと昔の話ですよ。

それまで野球に全く興味のなかった私は、
日当でバイト代がもらえるという単純な理由で
神宮球場のアルバイトを始めたのです。
当時のヤクルトスワローズはそんなに強いチームではなく、
巨人戦と阪神戦以外は、のーんびりと、
ただ立っているだけに近い状況で働いていました。

友達と交替でスタンドにあがって試合を見たりしていましたが、
誰が打ってるとか投げてるとかほとんど興味はありませんでした。

カップラーメンもそんなに売れません。
売店は、担ぎ売りの人と違って全部が歩合ではなく、
基本日当に歩合がつくようになっていました。
だから、売れなくてもバイト代が極端に少なくなることもありません。

それでも、売れないのは退屈です。

そこで、可愛い女子高生だった私たちは、
スタンドにセールスに行くことにしたのです。
いや、ただ単にカップラーメンをいくつか持って行って、
「カップラーメン、いかがですかぁ?」と声をかけただけです。
買ってくれる人がいたら、お湯を入れて座席まで持って行きました。

そんなやりかたでも、売店でぼーっと立ってた時よりは売れました。

これが、私が「仕事を自分なりに工夫する」ことを初めてやった経験です。
発案者は、友達でしたけどね。

その友達は今、某レコード会社でE-コマースの仕事をしています。
私は、コピーライターになりました。
ふたりとも、まだ何かを売って生きている、というわけです。

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