リレーコラムについて

違和感、というか鮭缶。

八百朗

大量の鮭缶が空から降ってきた。

あっ、雪・・なんて優雅な感じじゃなく、
完全に僕たちを狙って投げつけられている。
鮭の缶詰・・・。
そこにはロシア語のような、見たことがない文字が書かれていた。
ハードな音を立ててアスファルトを叩きつけ、
つぶれていく鮭缶たち・・。
まるで「マグノリア」。

ちょっとお酒を飲んで騒いでいた僕たちに
ビルの6Fから鮭缶を投げられる人。
そして、ロシア語らしき文字。
ここ、六本木。
このビルの前だけなぜか路上駐車されていない・・。

算数は得意じゃないけど、
この、人生を上手くわたるための足し算は、
すぐに解けた。
やばい・・・。
逃げろ!なんて言葉を発するまでもなく
一目散に逃げる俺たち・・・。

大人から、世渡りのコツを丁寧に教わった夜。

「登場感」とか「新しい感じ」とか言われるたびに、
この鮭缶のことを思い出す。

大胆すぎて、絶対使えないけど・・。

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