リレーコラムについて

インターネットを作ったのは、誰だ!

岡林和也

今年の感想を一言で、と言われたら、
「インターネットを作ったのは誰だ!」に尽きる。

利用者としてはネット進化はありがたいものであるが
こと仕事においては、大変な時代になってしまった。

企業にもよるが
「ネットを中心にコミュニケーションを考えること」
といわれるケースが最近増えた。

別にコミュニケーションを作ることは楽しいのだが、
問題は最初に設定した「集客数」等、
いわゆるKPIという評価基準が最後までつきまとうこと。

想定された人数が集まらなければ、問題点を抽出し
即座に改訂・改善していく。どのルートから何人集り、
その人たちが、こちらが設定したルートで目標地点まで辿り着いているか。
その数字がデイリーで出てくるため、結果は明らかになる。

一度つくったら最後、運営し続けなければならない。
それが、いわゆる4媒体と異なる点だ。

ちょっと前ならそうした知識は、専門家に任せていたのだが
そうも言ってられなくなった。宣伝部はどんどん知見を増やし先行していく。
その現状に、クリエイターもついていけなければ「NG」が出される。

打ち合わせで使われる用語も、以前とは変わってしまった。
同時に、外部含め仕事をするスタッフも変わり、
気がついたら若い顔ぶれが増えた。

だが、忘れてはいけないこともある。

コミュニケーションは、リアルを超えられないってこと。
物理的にも心理的にも、そのリアルがベースになっている。
ネットは、そのリアルというお皿の上にある、ひとつのメディアに過ぎない。

だから、部下には「片目はつぶっておくように」と言い聞かせている。
両目でネットだけを見つめると、大切なことを見失うからだ。

人の心を動かす、リアル。

ネットで使う言葉は、とても細かい配慮が必要だ、と最近実感している。

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