リレーコラムについて

走ることについて2

小川勝己

マラソンはたくさんのボランティアの人に支えられています。
レース中に水やスポーツドリンク、補給食にバナナや飴をもらったりします。
一番ありがたいのはやはり声援でしょうか。
当たり前ですが有名選手でもなく有名人でもないぼくに対して
「がんばって」「もうすぐですよ」とかいっていただけるわけです。
日常ではまずないことです。ありがたいです。
声援に助けられているところは大きいですね。
今年、その声援で感動的な体験をしました。そのお話です。

長年の憧れに「トライアスロン」出場がありました。
そう書くと引く人もいますが
トライアスロンにはかなり大雑把にわけると2つありまして、
ひとつは「アイアンマンレース」と呼ばれているロングレース。
その距離、スイム3.8km、バイク(自転車)180km、ラン42.195km。
まさに鉄人。常人には不可能。まるで別世界。
もうひとつが「オリンピックディスタンス」
こっちはオリンピック競技用にぐっとショートになっていて、
スイム1.5km、バイク(自転車)40km、ラン10km。

最初は不可能だと思っていたのですがトライアスリートの友人が出来、
いろいろ聞いて見るとフルマラソンを走れるならば、
オリンピックディスタンスは大丈夫というんです。しかし泳ぎがなぁ・・・
ところが朗報、ウエットスーツ着用義務があって、
身体が浮くから溺れることはありえないそうです。
それならばと、軽〜い気持ちで
佐賀県唐津市の虹ノ松原トライアスロンにエントリーしました。

結果、なんとか完走。マラソンよりもエキサイティングで素晴らしい経験でした。
そのときの参加人数は330人ほど。
マラソンにくらべるとぐっとコンパクトなのですが
ボランティアの方のは400人以上。なんと参加者より多い。
その影響も大きいと思うのですが選手にとって、
素晴らしい思い出をもらえる大会でした。

例えばスイムが終わった後のバイクは片道4kmの虹ノ松原の直線を5往復する
コースなのですが、通常マラソンなんかだと選手が多すぎて応援に来ている人も、
お目当てのランナーをなかなか見つけられません。

ところがこのレースでは、ボランティアの方が
折り返す直前の選手のゼッケンをチェック。
無線で本部に送ると「ゼッケン○○番○○選手が入ります。」とアナウンスされます。
だから応援に来た人が、お目当ての選手に声援を送れるんです。

そして、一番感動的だったのはがランでのことでした。
「小川さんがんばって」と聞き覚えのない声援が。知り合いが偶然きていたのかな?
と思いながらコーナーを曲がると、今度は見知らぬ女性が手を振りながら
「小川さんがんばって」とまたもや声援を送ってくれます。???。

なんと、声援をいただい方は、ボランティアスタッフで、
事前にナンバーをチェックした仲間の連絡を受けて、ナンバーから選手の名前を調べ、
名指しで応援してくれてたんですね。

感動しました。疲弊した肉体、ハイな精神状態で、名前で応援される。
最高のタイミング・マーケティングです。
それってボランティアの方に苦労はかけるにしても、
基本的にお金が掛からなくて、その効果は絶大です。
本気で来年も出たいなと思ってます。
(実際、雑誌アンケートでも思い出に残るトライアスロン7位)

ゴールも、もちろんアナウンス付。
ラスト200メートルは応援に来た人といっしょに走れるようになっています。
ゴールテープもひとり一人の選手のために引いてくれます。
テープを切った後はウイニングタオルをかけてくれます。
ゴールの先には参加記念の唐津バーガーの屋台が待っています。
ラストの盛り上がりもちゃんと計算されているんです。

完走できたことに感動でしたが、その運営上の感動装置に感動でした。
そのきめの細かさやサプライズ、ホスピタリティーに
広告にも学ぶところがいっぱいあるなぁと思います。

取ってつけたようなまとめ方でしたね。
だらだらと書いてしまいましたが一週間お付き合いありがとうございました。

来週は今年TCC新人賞、ACCのシルバーを受賞し勢いに乗っている
同じ会社の若手?勝浦雅彦くんにバトンを渡します。
秋川雅史似の顔とオペラ歌手の妻を持つ自称フットボーラーです。
おたのしみに。

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