リレーコラムについて

愛すべきラジオCM

佐藤延夫

パソコンの後ろから、一昨年の領収書が出てきました。
大日の佐藤延夫です。
最終日もお付き合いください。

たくさんの温泉情報、ありがとうございました。
ここでは公表しませんが
(そりゃそうだ。秘湯ですからね。)
皆さんの教えてくださった温泉は、一生かけて巡ります。

さて最終日は、愛すべきラジオCMについて。
テレビCMや新聞、雑誌、ポスターとは違い、
目で見ることのできない広告です。

「音で伝わるか」
「声で理解できるか」

という部分に全ての判断が委ねられます。
そこに面白さも難しさも共存しているんです。
いまだに僕は、そのへんでもがき苦しみます。
日暮れて途遠し。

一番短いのでは2秒CMというのを作ったことがあります。
2秒じゃ何にも言えないじゃん、と思っていましたが
川柳ならギリギリで読めます。

一番長いのは、300秒。5分ですね。
こちらはラジオのパーソナリティが生で読む
いわゆる生CMというやつでした。
ちゃんと5分で収まるように、事前に何度も時間を計るのですが、
押したはずのストップウォッチが止まっていたりすると、さあ大変。
午前5時、錯乱状態に陥ります。

まあこういうのは特例みたいなもので、
大半は20秒から120秒。
完パケCMと言われるものです。
役者さんをスタジオにお呼びし、
効果音、音楽などを用いたりして
ミキサーさんと時間をかけて仕上げます。

男女の心の揺れがあったり
ただのアホな会話だったり
不思議な世界が広がったり
言葉を聞くだけで泣けてきちゃったり。

聴く人に想像させるものが映像を超えるような、
そんなCMをつくりたいと
うんうん呻きながら日々パソコンに向かっているわけです。
僕はやはり、コピー雷太ですな。
(水曜日のコラムを参照)

5日間お付き合いくださいまして、ありがとうございました。
何度もメールをくれた皆様には、畳に額を擦り付けたい思いです。

さて来週からは新年度がスタート。
このリレーコラムは
TCC新人賞の同期、電通中部の村山覚さんにお渡しします。
この方とは1年くらい前から妙な縁があって
ちょうど桜の季節、
屋形船で隣に座っていたりしました。
おお、よく考えればぴったり1年前だ。
隅田川沿いの桜が満開だった、3月最後の金曜日でした。
その後、お互いにラジオCMでTCC新人賞受賞。
僕の中では勝手に「盟友」と思っております。

飄々とした風貌とは裏腹に
常に懐に隠しコマンドを持っている
名古屋のファンタジスタです。

だいぶハードルを上げておきました。
村山さん、お願いします!
立ってる者は親でも使う、佐藤のリレーコラムを引き継いでください!

佐藤延夫の過去のコラム一覧

1929 2007.03.30 愛すべきラジオCM
1928 2007.03.29 個人的なこと
1927 2007.03.28 結果発表
1926 2007.03.27 続報
1925 2007.03.26 参加型コラム
NO
年月日
名前
5690 2024.04.17 長谷川輝波 言葉オブザイヤー@新宿ゴールデン街
5689 2024.04.12 三島邦彦
5688 2024.04.11 三島邦彦 最近買った古い本
5687 2024.04.10 三島邦彦 「糸井重里と仲畑貴志のコピー展」のこと
5686 2024.04.09 三島邦彦 直史さんのこと
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