リレーコラムについて

りんだりんだりんだ

大宮恵里子

りんだりんだりんだって書くと、りんごりんごりんごみたいなだあ。
リンダリンダリンダを観た。
ブルーハーツが主題歌の映画。
女子高生が学園祭でバンドをやる話。
前から気になっていて、今日やっと、仕事帰りにレイトショーに間に合った
もう公開されて随分経つから
客がほとんどいない。
4人。
こういうがらがらの状態の映画観が、結構好き。
なんか、運命共同体みたいじゃないっすか。
大きなスクリーンを、4人で4人じめしちゃおうぜ!
って、みんな知らない人なんだけどね。
でも、なんだろう、こんなにガラガラな映画館で
今日という日にこの映画を観に来ちゃってる4人は、なにか
「旅はみちづれ」な、すこし他人以上のものを
感じてしまう。
居合わせちゃった、ような、不思議な空気の中
レイトショーだからコマーシャルもなくいきなり本編が。
商売上がったりだが、結構、快適!
観終わったら、なんか、ふわーっと、同じ空気を
まといながら、ひとり、またひとりと、
映画館を去っていくわけ。
映画館をでて、渋谷駅に向かって一人、ふらふら、歩いていたら
なんとなく、こう思った。
「あーー、もう、なんか、仕事とか、どうでもいいな」と。
映画好きなわけではないし
(だって、生涯でまだ25本しか見たことがない。)
リンダリンダリンダに、いたく感銘をうけたわけでもない。
(それなりによかったけど、期待しすぎたのかもしれない。)
でも、映画観たら、どうでもよくなった。
そういう思いが、
秋の肌寒い夜空の下、ものすごく強く沸き起こった。
さっきまで、仕事のこと、クライアントのこと、いろいろ
きりきり考えをめぐらせていたのに
なんか、いま、ここにいる私は、ただ息をして、ただ歩いている
そんで、すこし寒くて寒イボとかできてる
ただの女だ。
そんな感じで、ぼけーっと、歩いていた。
よかった。

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