リレーコラムについて

恐怖の富士登山研修。

大原かな子

電通に入社すると、7月に富士登山研修というものがあり、
新入社員は全員、富士山に登らなければなりません。
しかも1泊2日!
で、ほんとに登るわけ・・?わたしも・・・?と行く前からたじたじ。
今までの人生、体育会系とはまったく縁がなかったのです。
でもここで逃げたら、一生会社から追っかけられそう。
そっちもかなり怖い。
仕方がない。覚悟を決めて、当日。

最初の方は、まだ楽な道でした。
途中の山小屋でおしるこなんて食べたりして、
ちょっといいかもー。アリかもー。なんて景色を見てました。
でもその時点で、すでにビリでした。

まわりに電通の人、まったく見当たらなかったけど、
ADの青木くんが「となりのトトロ」を歌ってくれたりして、励まされました。
でも、もうだんだん暗くなってきて、いよいよ本格モード突入。
頭に懐中電灯をつけて、真っ暗な中、必死で登りました。
たしか7、5合目。やっと山小屋に着いて、ご飯。
そして、そろそろ寝ようかと、布団に入ってしばらくした時。
横になったら急に気分が悪くなり、
私はひとり、起き上がっていたんです。
で、気づいたらなぜか、また横になってた。
あれ?おかしいな?
まわりがザワザワしているし。
そう。わたしは気絶した。

すぐに医師の方が2人やってきて、
酸素吸入。
すごい勢いで出てくる酸素を吸いながら、
「あなたの名前は??何歳ですか??」
「にじゅう、にじゅう・・さんさいです。」
と、幼稚園児のような会話が猛烈に繰り広げられました。
挙句の果てには、医師に両腕をかかえられながら、もどしたりしちゃって。
完全なる高山病。

帰りは、ひとり、ブルドーザーみたいな乗り物で下山。
みんなは山頂でバンザイ!なんてしてるのに、
わたしは、違う意味でバンザイ・・・でした。

もう2度と、富士山の話はしたくないです。

NO
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