リレーコラムについて

「あれれ、鍵盤じゃないのぉぉ!!!!??」

木村暁彦

こんにちは。木村暁彦です。
五回もネタが続くか心配です。
で、イージーな所ですが
人生観に影響を及ぼした「驚き」について。個人的な話でスイマセン。

「あれれ、鍵盤じゃないのぉぉ!!!!??」

これは今から24年くらい前。
小学校6年生の時に初めてYMOのライブ映像を見たときのショックです。

物心ついた頃からピアノを習っていたのですが、当時幼い小学生の身としては
ピアノは女々しいものという引け目があったわけです。
音楽の授業でクラス対抗なんかやると、きまって弾くことになるが、心は無。嬉しくも悲しくもない。
ビル・エバンスなんか弾けちゃったらかっこいいよ?なんて大人のイヤラシイ視点は当然ないわけです。

でもそんな小学生があるとき興奮して目が釘付けになったもの。
それが、
「ピアノに似ているのに得体の知れない音がいっぱいでるシンセサイザー」なるものを弾く坂本。

日常的に行っていた鍵盤を弾くことに、「カッコいい」が含まれるんだ!という事の衝撃。

ガキにとっては、実は神はあなたの心の中にいるのですよ、というのに近い啓示でした。
コストパフォーマンスのいい名機DX7が発売されるのは3年ほど後の話。買ってもらえるシンセがあるはずもなく、
それからはピアノの練習をしても
頭の中ではムーグ、プロフィット、ジュピターの一人ヴァーチャルサウンドが展開していました。

そんなことで音楽の趣味がYMOから、当時のパンク・ニューウェーブと広がっていくのですが、
最初に買ったレコードがB-2UNIT 。
イヤな小学生です。

クラシック好きの親への反抗をもくろみ
ラジカセ(懐かしいパイオニアRUNAWAY)でYMOを大音量でかけるのですが
返ってきたのは「そんなもの聞くんじゃありません!」ではなく
ボコーダーボイスに興味をしめす意外な反応だったり。

大人はわかってくれちゃったりする。のに、
「いや、わかってない」と主張する子供。

幼年期の体験が人格形成の重要な役割を果たすのであれば、
この時期に大きくユガんだのでしょう。

あれから24年。
ピアノは一年近く弾いてません。
そんなもんですよねー。

NO
年月日
名前
5772 2024.10.04 高崎卓馬 名前のない感情
5771 2024.10.03 高崎卓馬 母のひとりごと
5770 2024.10.02 高崎卓馬 批評と愛
5769 2024.10.01 高崎卓馬 再会の夜
5768 2024.09.30 高崎卓馬 ともだちの木
  • 年  月から   年  月まで