リレーコラムについて

気合だぁぁぁぁ!

本庄巧

一時期、マッサージによく通ったんです。あ。マッサージっていってもファッションのほうじゃないですよ。念のため。同じ店によく行くようになって、僕と同い年の日本人男性のマッサージ師とよく話すようになりました。

その人は中国で東洋医学を学んできた人で、僕の体の不具合を診るために、舌を診たり、両手の脈を測ったりするんです。「ああ、肝臓がちょっと弱ってますね」と舌を診ただけで言い当てるんですね。両手の脈を測るのは、左側にある臓器(心臓とか)を調べるためには左手の脈じゃないとわからないからなんだそうです。右も同じ。僕はすっかり信頼してしまいました。

ある時、「今日は特に疲れてるんです」と言うと、「じゃあしょうがないですね。とっておきのやつを」と言いながら何やら準備。「僕が疲れちゃうから、滅多にやらないんですけどね」。え?先生が疲れる?「本庄さんに“気”を入れてあげましょう」。

そうか。人づてに聞いたことはあるが、俺も“気”を入れてもらえるのか…。

「じゃあうつぶせになって寝てもらえますか」。うつぶせか…。これでは先生が施術してくれるのがわからないな…。まあ、仕方ない、と思ってたんです。でも、やはり好奇心がウズウズしてきて、チラッと横目で先生のほうを向いたんですね。すると…

マンガの世界だーーー!!!!本当にねえ、なんか目を閉じて気合を集中してるんですよー。これは、やっぱ見ないほうがよかったのかなあ。見ると効果が薄れるんじゃないか。そんな気がしました。

「これで、ラクになると思いますよ」。うーん、どうだったのかなあ。普段のマッサージもしてもらったから、効き目の方はよくはわからなかったけど…。

その先生は、マッサージ師を辞めました。他人の体をマッサージすると、自分の「良い気」を患者に渡して、患者の「悪い気」をもらっちゃうんだそうです。悪い気をもらっても平気なマッサージ師もいるらしいんですけど、その先生はデリケートだったみたいです。知り合いにそのことを話したら、「ああ。いい人は悪い気に負けちゃうんだよ」とのことです。

鈴木康之さんの書かれた本の最後に、たしか「気」の話が書かれてありました。「気」をつけて、「気」を利かせて生きていかないとダメですね。てなわけで、また明日。

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