リレーコラムについて

先輩の話

こやま淳子

傍若無人で女好き、思い込みが激しく暴力的、
ウエットなのに軽薄、右翼なのにブランド好き。
女子の皆さん、こんな男子がいたら、つきあいたいと思いますか?

私にコラムをまわしてくれた藤田さんは、
そんな性格なのに何故かモテモテの不思議な人です。
大学の先輩でもあり、TBWAに同時期に中途入社したよしみもあって
新人賞に出すコピーを選んでもらったり、
男の子を紹介してもらったり、レトルトカレーや香辛料をもらったり、
公私ともどもお世話になってはいましたが。

「オレってさみしい男なんだよね」という演出で女性を騙すのが常套手段。
「淳子には手ださないよ、後輩だもん」といった後に
「だから家に泊めろ」と脅迫的にいわれたことも数回あります。
「淳子とは一回しかやってない」というデマを社内中に流されたことも。
(もちろん一回もやってません、念のため)
よく私はTBWAの女子たちに
「あの人には近づかないほうがいい」と忠告したものでした。

ただ、仕事の上では尊敬できる部分がたくさんあり、
いつもきちんと自分の内側から出て来たものをアイデアにできる
素敵なコピーライターです。
すごいのは、ご本人も書かれていた通り、
担当したブランドを異様に愛してしまうんですね。
コンピューターを担当すればそれを買うし、
ウイスキーを担当すればいつもそれを飲むし、
スポーツブランドにいたっては、
まわりの人間にもそこのスニーカーだけを履くことを強要。
(それはそれでうざかったのですが)

思うに、商品への愛情と仕事の出来って、けっこう比例するんじゃ
ないでしょうか。いくらレトリックを駆使しても愛情がないと
どうもアイデアが上滑りする。自分だけのオリジナルな企画って、
商品を好きじゃないとなかなか出てこないような気がします。
藤田さんがエモーショナルなコピーを出せるのも、
そのへんに秘密があるんじゃないかなあ。
「いやオレ様の才能だよ」とかいわれそうですが。

長くなっちゃった。やっぱり愛情かなあ。
一週間読んでいただいて(いや今日しか読んでないよという方も)
ありがとうございました。
次週は、やはり自分の内側から出て来たんだろうなーという
素敵なコピーを書かれる方。
岡部事務所から最近独立された小島富貴子さんです。

NO
年月日
名前
5691 2024.04.20 長谷川輝波 #マイナス5キロジーンズ@韓国の街中
5690 2024.04.17 長谷川輝波 言葉オブザイヤー@新宿ゴールデン街
5689 2024.04.12 三島邦彦
5688 2024.04.11 三島邦彦 最近買った古い本
5687 2024.04.10 三島邦彦 「糸井重里と仲畑貴志のコピー展」のこと
  • 年  月から   年  月まで