リレーコラムについて

下を向いて生きよう

丸山暁美

最近、地面、見つめてますか。
このご時世、上を向こう、前向きにって言葉はよく聞くけど。
まあ、確かに一息つきたい時や気分転換や、晴れた日なんかには
無条件で上を向いて、空を眺めたりするわけで。
やっぱりそんな時に、しみじみうつむいて地面を眺める人は
あんまり見たことないわけで。
だけど、子どものころって、よく地面見てたなあと思いません?

学校帰り、道ばたにボルトとかナットとか鉄板とかの金属類を見つけては、
これ集めてどっかに持ってくとお金になるんだぜとか。
虫の死骸やどぶにうごめく奇妙なミミズ状の生き物や、
川辺の泥に潜んでるザリガニやライギョや牛ガエルを見つけては、
地面に這いつくばって、一喜一憂してた。
考えると子どものころってほとんど下を向いて、
地面を見ながら歩いてたんだよなあ。面白いもんは下にある。
上向いたって、空しかないもんね。空には何にも落ちてないもんね。
そう、思い出は、下にあったのであった。

いつごろからか、地面を見なくなった。そして空を眺めるようになった。
それってきっと、自分の心を和ませる必要性が
でてきたころからのような気がする。
ああ、今日は天気いいから会社に行くのもまあツラくないかなとか。
仕事中、ふうっとぼんやり空を眺めて、
そしてちょっと気分を持ち直してまたがんばっちゃったり。
ふうっ。といま、空を見たくなったんだけど、雨戸閉めてたんで
何にも見えませんでした。

そういえば、故郷にいる小学生の姪っ子が、毎年夏休み、東京に
遊びにやって来るんだけど、昨年の夏、はじめてお土産を持ってきてくれた。
「杖だよ」と言っていい感じにひん曲がった木の棒と、
「すごいでしょ」ときれいな白っぽい石をくれた。
どちらも道ばたで拾ったもんだそうな。

うれしかったけど、羽田空港の持ち物チェック厳しくなったから、
次は気をつけてね。
私もこれからは、ちょっと道ばたに目を凝らしてみようと思う
今日このごろでした。

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