リレーコラムについて

メルセデスベンツ300E

岩橋孝治

ちょっと昔の話。
その日は会社の忘年会だった。
京都の奥の温泉旅館で宴会だった。
一人運転して出発した。
そのときの車は新車のギャラン。その年のカーオブザイヤーを取った車だ。
僕がコピーライターになり立ての頃、これはと思う原稿はボディコピーを書き写していた。
その中に三菱のギャランの広告があった。たしか西村佳也さんのコピー。
書き写してうちに感情移入して、それから十数年後本当にギャランを購入しまったというわけ。
道路は舞鶴道を選択した。
それには訳があって、新車ギャランの最高速テストをしようと思ったのだ。
舞鶴道は交通量が極端に少なくて存分に走れる。
中国道から分かれて舞鶴道に入るとギャランは速度を上げた。
メーターが150、160、170、と上がっていった。
WRCに出るベース車だけあって、〔今はご存知ランエボですね〕安定性も抜群だった。
日本車は180を超えるとリミッターが働く。その前後を維持してギャランは全開で走った。

と、ルームミラーに何が違うものが写った。白いクルマ・・・・
180で走るギャランにぐんぐん追いついてくるのだ。
車種がわかった。メルセデスのミディアムクラスだ。エアダムのようなパーツが着いている。AMGか?
あっという間に追いつかれた。メルセデスはあざ笑うように追い抜いていくように思えた。
くそ!
悔しいので抵抗しようとアクセルを全開にしてまた速度を180まで上げた。
そのとき・・・・いきなり
メルセデスのフロントグリルの中で赤いランプが2灯点滅をはじめた。同時に天井に回転等が現れた。

1分後僕はメルセデスベンツ300Eの後部座席にいた。
僕はどちらかといえばぶっきらぼうな男だ。しかし、このときはちがった。
「いやーベンツには、日本車はかないませんわ」
とか
「メルセデスの覆面に乗る警察官って、そうとう優秀なんでしょう?」
とか、悪魔も赤面するようなせりふをならべたてた。
あれぐらいの愛想を、いま、得意先にもふりまければとも思う。
警察官は表情を和らげ、追尾車〔僕のクルマのことですね〕のデジタル速度計を
180から手動でぱらぱらと落としていき118でとめた。
そして「これでいいですか?」と聞いた。
「結構ですだ、お代官様ぁー」

僕は手錠をかけられずにすんだ。

次回は、今をときめく内藤貴明さんです。
NOVAの異文化コミュニケーョンとか月桂冠のおかしな人形芝居作った人。
お楽しみに。

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