リレーコラムについて

ネコと天丼

平山康弘

突然、ネコを飼うことになってしまった。

それはとある日曜日。遅く起きた私と同居人(彼女)は朝昼兼用のご飯でも、と
近所のファミレスへと出かけたのでした。
私が頼んだのは「さくらえびの天丼」。
気持ちよく晴れた日曜の午前中に、なぜそんな油っこいものを頼んだのか、
今考えても分かりません。
そして、「さくらえびの天丼」さえ食べなければウチにネコが来ることはなかったのです。

ファミレスを出ると、おなかがぐるぐると言い始めました。
当然です。さわやかな日曜に、そんなもの食べてるんですから。
近くの大型スーパーのトイレを借りることにしました。
しばしこもった後でトイレから出てくると、目をぎらぎらさせて彼女が立ってました。
「ネコを飼おうよ!」突然彼女が言いました。
「あったかかったのよ!」相変わらずぎらぎらと確信犯なおかしな目つきです。
「あのネコ、ぜったい当たりだって!」あたったのはオレの方だ。おなかがぐるぐる。

私がトイレに長居しているあいだ、スーパー内にあるペットショップでイヌやネコを
見て時間をつぶしているうちに、店員さんにすすめられてお店のネコをだっこさせて
もらったそうです。
黒と白のスコティッシュ・ホールド。
お店に連れていかれ私もだっこさせられました。
確かに。だいたとき、妙にしっくりくるものがありました。いや、そう思いたかったのかもしれません。私も買い物ついでにペットショップをよくのぞくのですが、実は、そのスコティッシュ・ホールド、私も気になっていたネコだったのです。

かくして、ほぼ衝動買い的にネコを買ってしまいました。

そんな話を後輩のコピーライターにしたら「名前はうんこですね。」と言われた。失礼な。

「茄子」という名前にした。
足を広げて腹ばいになった姿がナスみたいなのも理由だが、ホントは「茄子 アンダルシアの夏」というヴェルタ・エスパーニャ(スペインの自転車レース)を題材にしたアニメ映画がもとだったりする。

ふたりとも、自転車レースをテレビで観るのが好きなのだ。

NO
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