リレーコラムについて

恋のキュンは、世界共通かもしれない

真子千絵美

私のお気に入りの仏像に、

愛染明王という仏像がいます。

 

明王とは、
7世紀頃に生まれた密教で
大日如来の化身として
教えが届かない人々を救ってくれる存在。

そんな中で愛染明王は、
愛欲や性欲に対するエネルギーを
禁止するのではなく、活用して悟りに至ろう!

というプラス思考の明王です。

 

通常私は、仏像を見る際、

制作された時代による様式の違いを楽しんだり、

袖の中のカラフルな塗装が

少し残っているのを見てわくわくしたりと、

それぞれの個体を作品として観察します。

(もともと仏像はカラフルに

 彩色されていたものが多かったのです)

 

しかし、学生時代に

愛染明王を寺院でたまたま見かけたとき、

仏像作品としてというよりも、

彼が弓と矢を持っていることに強く惹かれました。

 

一般的に弓と矢をもつ存在

といって想起されるのは、

ローマ神話の愛の神クピド。

いわゆる恋のキューピッド、ではないでしょうか。

 

遠く離れたヨーロッパの国々とアジアの国々が

それぞれ愛の象徴としている神に、

同じモチーフとして「弓と矢」を持たせている。

 

調べてみても、愛染明王とキューピッド

相互関係は不明なようですが、

もし、互いの存在を知らずに

遠く離れたヨーロッパの国々とアジアの国々が

それぞれ愛の象徴に「弓と矢」を

持たせていたのだとしたら。

 

好きな人に出会ったときに

心がキュンと突かれるような感覚は、

何千年前の人々から続く

普遍的な感覚なのかもれない。


そして、恋が少し痛いものだということも

ずっと昔から人が感じてきたことなのかもしれない。

 

そう思うと、

よくある感覚も少し愛しく思えてきたりします。

 

広告の企画をしたり
コピーを書くにあたっても、

そういう、時代とか気分に流されない

人類普遍の感覚や価値のようなものを大切にしたい。

 

そう思ってはいるのですが、
仕事に追われる中で、
小手先の企画になってしまうことも多いです。

自戒もこめて、拙筆ですが、
第二回目とさせていただきます。

__

もし、読んでくださった方の中に
愛染明王とキューピッド関係性について
ご存知の方がいらっしゃいましたら、
教えていただけると嬉しいです。
 

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