リレーコラムについて

児島令子さんは癖になる①

野原靖忠

みなさんご存知の児島令子さん。

彼女と知り合って、もう30年以上になる。電通
の新入社員だったころに、先輩に紹介してもらっ
た。初見。スレンダーで小柄、小さな顔、フリル
のついた白いシャツにベスト、スキニーな白パン
にブーツ。ずいぶんオシャレなヒトだな。と思っ
た記憶がある。

ぼくたちは最初からウマがあった。なにしろ彼女
は人間的な魅力が抜群なのだ。ストレートな男気
と女性らしい鋭い毒舌が、人間的なやさしさでま
るっとコーティングされているというか。お互い
ずっと大切な友達だと思っている(と僕は信じて
いる)。

しかし、この5年ほど彼女と連絡をとっていない。
電話くらいしたらいいものを。なぜか?児島さん
と電話で会話をはじめると、異常に長くなるから
だ。半端ではない。昔、深夜毎日のように、平均
して1、2時間話していた時期があった。固定電
話で6時間以上はなしつづけたこともあった。仕
事の話はまあそこそこに、浅い話、深い話を延々
とつづける。恋バナ、最近読んだ小説、遺伝子の
不思議、業界噂話、コラムニストの悪口、人生の
話などなど。それらを主に彼女の方からネタをふ
ってくる。これを児島さん7、僕3の比率で話し
続ける。会話は楽しい。楽しいが限度がある。明
日は朝から会社だ。
会話につかれてそろそろ電話を切る口実を見つけ
ようとすると、その内心を見透かすように、「と
ころで、話は変わるけどさあ」と次の話題へ。
「トークの無間地獄」という言葉が頭をよぎる。

僕も50歳半ば。もうそんな会話のマラソンは体
力的に無理なのだよ。児島さん。

今回のコラムを書くにあたって、彼女に了解を得
よう思ってスマホを手に取ったが、やっぱり電話
できなかった。だって、長くなりそうなんだもん。

(つづく)

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