リレーコラムについて

今の時代の「いいコピー」って何?

鶴香奈子

さまざまなことが「データ」で「分析」できる時代になってきて、

コピーにできること、やるべきことって何だろう。

そうお考えになるコピーライターさんは少なくないかと思います。

「いいコピー」って一体何なんだろう?って。

 

例えばですけど。

「人の心を動かすコピー」って、昔も今もすごいことで。

ただ、常にそれだけが正義や万能ではない場面が

昔より増えてきましたよね。

【好意やブランドイメージはアップした、

だけど商品売上はさほど変わらなかった。】

このケースって、よかったこと?だめだったこと?

両方だ?両方とも違う?

 

判定方法は、ひとつには、クライアントの判断。

ライターやエージェンシーがなんと言おうと、

クライアント(そのコピーの書き手ではなく、看板を背負った「発信者」)が

「それを望んでた、よかった」といえば、よかったことになる。

「本当は売上アップを望んでたので、そこは今後の課題ですね」となれば

まぁ、今ひとつ、だめだったことになっちゃいますよね。

 

じゃあ「商品が売れるコピー」であることが大切なのかというと、

もちろんそれもすごい役目大義だけど、それだけでいいとは言い切れない。

そもそもの話、その広告やキャンペーンを実施した後で

売上が上がり、調査データを分析しても、

売上に「コピーそのものがどれほど寄与したのか」は

結局のところ算出しにくいのが現実です。

 

それにコピーって、こんな二元論じゃ語り尽くせないですよね。

(二者に相関関係はないのか?重複もあるのでは?なども含めて)

どっちの定義も、言い得てるようでいて、

実はどちらも証明しきれないという

あやふやさも孕んでいると思います。

 

そうなってくると、コピーライターとしては、

書きたいことを書くのではなく、

そのブランドや商品が向かいたがっている未来に導く、

または、このような未来に向かうと良いのでは?と提案して導く。

それが「いいコピー」なんじゃないかなと

まぁ、解像度の低い至極普通のことを、改めて考える今日この頃です。

 

鶴 香奈子と申します。

電通でコピーライターを名乗らせてもらっています。

1週間、よろしくお願いいたします。

松村祐治さんにパンクフラグだけ置いてかれましたが、

久々にバトンをいただいたので今回は

気品と清淑の趣きで書いてみようかなと。

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