リレーコラムについて

コピーはリズム!

黒澤仁

群馬県出身のコピーライター黒澤仁と申します。

よろしくお願いいたします。

コピーライターになりたての頃、

自己紹介の枕がありました。「群馬県には

有名なコピーライターが3人います。

一人は糸井重里さん、二人目は一倉宏さん、

そして3人目が黒澤仁でございますぅー!」

まるで、三波春夫でございまぁ~す!的に

やるもんだから重大なインシデントを

発生させていました。勿論、お二人とは

月とスッポン、クジラとイワシ、天と地以上の

格差があることは承知していますが、

コピーライターとして、唯一3人が共通する

DNAを持っているんです。それは群馬県民には

お馴染みの「上毛かるた」なんです。これは、

群馬県の有名な場所や、人物、特産を謳い

群馬県民は全員幼い頃から地域の子供会などで

練習を重ね、町の大会、市の大会、県大会と

甲子園並みの熱い戦いを繰り広げてきたんです。

例えば「あ」浅間のいたずら、鬼の押し出し。

「い」伊香保温泉、にほんの名湯(めいとう)。

「う」碓氷峠の、関所跡(せきしょあと)など

何十年経っても、完璧に覚えているんです。

つまり、そのことばのリズムが体験として

染みついています。

こんなこともありました。

赤坂の居酒屋で隣のお客さんが、群馬県の人では?

と思われる話をしていました。僕はなんとなく

上毛かるたの一番有名な「つ」ツル舞うかたちのーと

上の句をつぶやきました。そしたらどうでしょう、

隣の席から「ぐんまけん~」と下の句が返ってくる

ではないですか!これは、合言葉というか、呪文というか、

マッチングアプリというか、最強なんです。

その染みついたリズムがコピー制作に大いに影響していると

大御所お二人も雑誌や講演で認めているんです。

俳句や短歌もそうかもしれません、日本語には心地いいリズム

があるんです。コピーは、何を言うか、どう言うか、誰が言うか、

そしてどんなリズムで!これが染み込むコピーを生むんです。

どうですか?こんな共通点をお話すると、

糸井重里さん、一倉宏さん、黒澤仁が一緒に見えてきませんか?

見えませんよね、僕にも見えません。でも、偉大なお二人と

おなじリズムを持ってコトバを生み出していると思うだけで

何だか嬉しくなってくるんです。

ツル舞うかたちの~、ぐんまけん!

 

 

 

NO
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