リレーコラムについて

わが新型コロナ危機!

名雪祐平

今年の初め、中古車を購入した。16年落ちの大型バン。これから予算150万円ほどをかけて、ゆっくり改造するつもりでいる。

目的は「VAN WORK」。完成すれば「旅する事務所」になる予定。車中泊キャンプにも使える。

ノマドという言葉さえ知らなかった約20年前から事務所を借りてきたけれど、5GやZoomの時代にもう個人事務所というオールドスタイルに飽き飽きしている。だから、もともと現在の目黒の事務所は今年いっぱいで引き払うつもりでいた。

運か、第六感だったか。
そこに新型コロナウイルスが猛威を奮いだした。

リーマンショックよりハードな状況が続くと思う。長期戦を覚悟している。もしバンを買わなくても事務所はやめることになっただろう。年間500万円以上の固定費が浮く計算。(事務所家賃・駐車場で月約40万円+通信費・水道光熱費など月数万円)  20年間分の家賃を累計すると・・・・・やめよう。

実は節約の話ではない。
フリーランスの価値観について書きたかった。

フリーランスの何がフリー(自由)なのか? フリーになる前から考え続けてきた。「時間」や「場所」といった物理的なメリットもあるけれど。フリーとは? いちばんの価値とは?

「決める」

自分で決めること。決める責任を持つこと。環境、時間、お金といった多くの決め事を采配すること。もちろん仕事上、不条理や理不尽は付きもの。相手と一致しない自分の考えを臆せず主張できるか。合意点をどこに定めるか。言いなりになるか。蹴っ飛ばすか。どんな結果だろうと、誰のせいにもできない。苦しく、腹立たしい時もあるけれど、トータルで、ぼくにはすごく清々しい。

「おかしいんじゃないか?」
よくクライアントに話す。まあ、クビになることもあれば(それも自分の責任)、そういう自分をおもしろがってくれて、10年、20年続く関係もある。
おもしろがってくれた人が次の仕事を紹介してくれる。
ユニクロ、カルチュア・コンビニエンス・クラブ、カネボウ、パナソニック、丸善、品川女子学院、BESS・・・・・そうしたクライアントのほとんどは、社長やコンサル、ADの紹介だった。

フリーとはインデペンデント。独立、自主、自立の精神力がいる。食えなくなって「コロナのせいです」と甘えても、仕事をくれる人は一人もいない。

否応なく、もう、遭遇してしまったのだ。歴史年表に、太文字で書かれるような新型コロナ危機と恐慌に。

いま、ぼくの個人時計は敏感だろうか?
時間はできた。その時間を耐えることに消費するのではなく、味方にできる。これまでの自分の間違いを認める時間でもある。

自分の力で稼ぎ、生き残ろうとするなら、コロナの情報や、経済・政治の動向を見逃したくない。できるだけ多くの情報を読み、これから自分がどう行動するか決めていく。最後は情報ではなく、直感。ますます直感が鍵を握る。長期的に考え、直感で決める。
新しい力を身につけたい。危機に怯まず、未来にハングリーでいたい。

アライグマのように、よく手を洗いながらね。

(次回から、わが越澤太郎さん!)

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