リレーコラムについて

はじめて感謝したCM

河内大輝

こんにちは。

大学のために上京後、10年間ずっと中野に住んでいる、河内大輝と申します。

 

僕はとにかく、はやく名前を売りたいと思っていました。

名前を売るというか、僕の名前でネット検索した時に

自分の仕事やインタビュー記事がずらーっと並ぶようにしたかった。

 

理由は、中学生の時に野球部みんなで作ったpeps!のホムペの

僕のプロフィールページを可能な限り、検索結果の後ろにしたかったからです。

 

インターンが終わりがけの頃、

仲良くなった東大生の青木くんから突然電話がかかってきました。

「大輝、これはみんなにバラして全員で馬鹿にしようかめっちゃ悩んだ結果やめたんやけど」

 

彼は理系なので思考の順序をいつも言語化してくれます。

 

「インターンメンバー、起業とかミスコンとかいろんな活動してて、

 グーグル検索したら色々出てきて面白いねんけど、

 大輝の名前で検索したら、一番上に中学生の時のプロフィールでてくるの知っとる?

 あれ、まーーーーーじでキツいからどうにかしてもらった方がいいと思う。

 流石に俺でもバカにできるレベルじゃなかったけん、友達としてアドバイスすることにした。感謝してな」

と、音声通話でも分かるくらい肩を震わせながら教えてくれました。

 

それを聞いた時に、僕はめちゃくちゃ「【死】」と思いました。

完全に忘れてた…

馬鹿にするのやめてくれてよかったー、インターン不登校になるところやったー。

みんなと馬鹿にしようかな?一瞬思っただけでも彼の人格を疑うべきでしたが

僕の気持ちは感謝で溢れていました。

 

恐る恐る自分でも検索してみると、それはそれはおぞましい

厨二病の塊みたいなプロフィールが出てきて、汗が噴き出しました…

 

そのプロフィールのページを消すには、ホムペの編集パスワードが必要だったので、

久しぶりに岡村という地元の友達に電話をしました。

中学生の時に、野球部でホームページを作ろう!と言い出した奴です。

 

こういうちょっとイケてることをするのはだいたいお調子者の岡村でした。

 

試合に出ることを早々に諦め、中学生活でファーストランナーコーチを極めた岡村。

 

極めるなら普通サードランナーコーチやろ岡村。

 

冬になると急に震えだして「さ、さむ、さむ、さむ、サムシングトゥーイート!」と叫んで

みんなに「いや腹減ってるだけかーい」とツッコんでもらうというネタを持っていて、

他の人がそれをやるとキレる、著作権に厳しかった岡村。

 

練習試合のB戦にファーストで出場し、中継プレーをミスって大暴投し

その瞬間に「監督に怒られる!何かのせいにしないと!」と判断したのか

ネイマール並みに足を抱えて急にグラウンドに転がりだした岡村。

 

中継プレーにそんな足は関係ないぞ岡村。

 

そんな愛すべき岡村に、ホムペを消してもらうために久しぶりに連絡しました。

「岡村久しぶり。突然ごめんやねんけど、ホムペの編集パスワード、覚えてへんかなぁ?」

しかし電話したのは2015年で、そんな2006年のことを覚えているわけもなく…

「いや覚えてるわけないやろ!いつのことや思ってんねん!」

「そうやんなぁ…」

と…

 

電話を切って数日しっかり落ち込み、

もう、こうなったらコピーライターになって自分の仕事をいっぱい作って活躍して

どんどんページを更新するしかない。

有名になってやる。いいCMをつくる、それしかない!がんばるぞ!

と心を決めてから少したって、岡村から電話がかかってきました。

 

「もしもし」と出た瞬間から岡村は死ぬほど笑っていました。

 

「まって、まじでやばい。聞いてくれ。

 いまの俺ならどういうパスワードにするやろな〜って

 なんとなく0120 117(いいな) 117(いいな)って打ったら中に入れたわ!」

とめちゃくちゃ笑いながら教えてくれて、

僕も吐くくらい笑いました。

人ってこんなに中学生から成長せぇへんことあるんや。

 

ありがとう、成長しない岡村。

ありがとう、耳に残るメットライフ アリコのCM。

 

ということで、自分のプロフィールと大好きなB’zの稲葉さんのプロフィールを

テンション高く比較していく地獄のホームページを跡形もなく消し去ることができたのです。

 

やはり、人生で僕を助けてくれるのはCMだったという話でした。

_______

 

以上で博報堂の河内大輝のリレーコラムを終わります。

すこし数が少ないのは「はじめてxxしたCM」というくくりに無理があったからです。

なんとかなると思ってましたすみません。

 

次のバトンは、インターン同期、クリエイティブ同期、TCC同期という

同期の中の同期の宮坂に受け取っていただきました。

お互い内定が出てから配属が怖すぎてずっと病んでいて、

不毛な「配属どうなるんやろ」と言い合うだけの飲み会を幾度となく繰り返し、

やっとクリエイティブ配属になった時にグータッチした思い出があります。

そんな宮坂にコラムを繋げられる日が来て嬉しいです。

よろしくお願いします!

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