リレーコラムについて

「また猫だましみたいなコピー書いてんのか」

小野仁士

社会人になって今までずっと肩書は
「コピーライター」なのですが、
会社の種類としては、社員の多い大規模制作会社、
個人事務所っぽい会社、広告代理店、フリーランスと、
いろいろ経験させてもらってきました。

「おまえ、また猫だましみたいなコピー書いてんのか」

そう言われたのは、
代理店から独立されたCDの
個人事務所っぽいコピーライター集団の会社で
お世話になっていたとき。

そのCDからは、
キャンペーンの柱になるような大きくて強い
コピーを書けと、いつもみんな言われてました。

猫だましコピーっていうのは、
その対極にあるようなニッチな切り口の
変に技巧的なコピーのことだろうと思います。
そのCDには、本質から離れた小手先のおもしろコピーばっかり
狙って書いてるように見えたのかもしれません。

ほかにも、そのCDからは、

「もっとクライアントのキン○マつかむような
ど真ん中のコピー書いてみろよ」

という、キ○タマコピー理論(いまネーミングしました)や

「お前らのコピーの腕がいくら進化しても、
それ以上にオレのコピーの腕も進化し続けてる。
だから、お前らは一生オレに追いつけない」

という、コピーアキレス理論(いまネーミングしました)など、
今でもよく覚えている
タメになる言葉をたくさんもらって、
給料いただきながら修行してる感じでした。

そういうある意味スパルタな会社
(よく高級お好み焼き店とか焼き肉に
連れて行ってもらってたのでブラックではないです)
だったので、そのCDのもとでコピーを書く案件のときは
いろいろ鍛えられたという反面、
自分の力不足でぜんぜんコピーが採用されませんでした。

とはいえ、自分1人がコピーライターとして
代理店さんなどのチームに単独で加わって
お手伝いするパターンもあったので、
そのときは普通にコピー書をいていたのですが。

あれから何年もたちますが、
ついつい猫だましみたいなコピーを書こうとしがちなので、
特にキャンペーンのときなどは、ジャンプ力がある上に、
その言葉ですべての施策が一気通貫できるようなコピーを書くぞ!
という誓いを新たにして
今日は終わりたいと思います。

 

「今でも覚えてる、あの一言(仕事編)」その3
おわり

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