リレーコラムについて

④新作は8mmフィルム

後藤誠一

今週、古い8mmフィルムでCMを作りました。

先日のオリエンに「ノスタルジー」とあったことがきっかけです。

 

ですがクライアントには8mmのことは伝えず

別の案を提出、その中から企画も決定していました。

 

なぜかというとリスクが大きすぎるからです。

 

8mmフィルムは21世紀になっても細々と販売されていたのですが

2012年までに製造・販売が終了してしまいました。

あとはいわゆるデッドストックしかありません。

 

今回、手に入れた生フィルムは製造から20年以上経っていました。

保存状態によっては、もう何も写せないかもしれません。

 

現像は日本で唯一、ある小さな会社がやっているだけ。

が、数ヶ月かかる場合もある上、

フィルムが古いため、事故が起きても補償はありません。

 

また、8mmフィルムはネガがありません。

バックアップができないのでオリジナルフィルムが映写機の中で

巻き込まれたりしたら文字どおり一巻の終わり。

 

そんなわけで自主プレとして水面下で進めていたのです。

 

フィルムを送って半月後、現像所から「退色と光線被り(不適正な感光のこと)が

著しい映像が確認できたが大丈夫か?」という知らせがありました。

 

ホッとしました。

それこそが、今回狙っていたノスタルジーのトーンでした。

 

 

 

 

 

 

結果的に編集日までに現像もテレシネも間に合い、

完成CMをクライアントに見せたところ、

ありがたいことに「テレビでも流そう」ということになりました。

 

ところで今、8mmフィルムは復活しつつあります。

昨年、コダックが再びフィルムを製造し始めたのです。

さらに、何十年も作られていなかった8mmフィルム用のムービーカメラが

新発売されようとしています。

 

話が逸れました。

僕は映像の演出家でもあるので、

どうやったら他でやっていない映像を見せられるか、

限られた予算で、どうやって目立つか。

 

そういうことばかり考えています。

そして、それが結構、楽しいのです。

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