リレーコラムについて

読むとみるみるコピーが書けなくなるコラム①と、出版予告

児島令子

いきなりですが、12月下旬に結婚することになりまして、お相手は……おっと、違った。私のコピーの本が出版されることになりました。いま、その入稿作業の真っ最中です。詳しくはこのページの最後で。

つづくれいこから、こじまれいこへ、れいこバトン。受け取りました。7年ぶり4週目のリレーコラムですね。これから1週間よろしくお願いします。

とはいえ都竹さんからコラム依頼がきたとき、うーん、本の入稿と重なってるからちょっと無理かなあ。。。と思いました。でもメールを読み進むと、私の過去のコピー「私、誰の人生もうらやましくないわ。」が好きで、コピーライターを目指していた学生の頃出会って勇気をもらったと書いてあるじゃないですか。

おお!なんというタイミング。じつは、そのコピーが、出版する本のタイトルなんです。まさにシンクロニシティ!

これは断れない。というか、ここで本の宣伝を書きなさいという神様の思し召しか?いや、ここをそんな私的なことに使っちゃいかんでしょ。てなわけで、ちゃんと毎回普通にコラム書きます。毎回最後に本の予告付くけど…

 

さあ本題です。「読むとみるみるコピーが書けなくなるコラム」です。怖いですね~。気の弱い方は読まない方がいいかもですよ。だいじょうぶですか?では第1回のテーマいきます。

私たち問題。

企業広告のコピーで、主語としてよく使われる「私たち」のことです。私たちはこう考えます。私たちはこんなアクションをしています。私たちは約束します。私たちはお詫びします謝罪します。とかね。

私は、この私たちという言葉を使うのがどうも苦手です。私たちって誰やねん?少なくとも私じゃない。私はその企業の経営陣じゃないし社員でもない。だから、私たちって書いたとたん、自分がイタコになったようで居心地が悪い。書く文章ぜんぶウソっぽく感じてしまう。といって、「この人たちは」って書くわけにもいかないし。

私の対応策は社名を出すこと。私たちはでなく、A社はとか、B社はとか。これなら居心地悪くない。A社がこう考えるのであって、私じゃない。私は客観的にコピーライティングしてるだけだから。

でもここで、私たちA社は~と、私たちを付けちゃだめ。こうするとまた居心地悪くなる。

「おい!俺はいままで私たちを主語にして普通に問題なく書いてきたんだ。変なこと言うなよ。こんなの読んだら書きにくいわ!」って思われたあなた。ごめんなさい。あくまでも当コラムは。個人的なこだわりの話ですのでお許しを。それに私も過去に使ってます。今後もわかりません。

さて、私にとっては、そんな取扱注意な「私たち」だけど。企業の主語としてでなく、生活者の主語としてなら躊躇なく使えます。私たちも、僕たちも。たとえその私たちや僕たちに、自分が含まれてなくても問題はない。

たとえば、高校球児のことを、僕たちは~というコピーでぜんぜん書ける。なぜだろう?その僕たちの中に、じつは広い意味では、私自身もいるからかな。私の中の高校球児的な心が同調するコピーなら、違和感ないのかも。

こう考えてみると、企業広告における私たち問題は、私たちという言葉そのものの問題でなく、そこで言おうとしている内容の問題な気がする。その内容と自分との距離。

暗黙の了解で多くのコピーライターが使ってきた「私たち」。私も最初は無意識に使ってた。でもある時期から感じるようになった違和感。この問題には、コピーライターの仕事におけるスタンスみたいなことが関係してるのかも知れない。

そう。コピーは自分なのか、そうじゃないのか。という命題にいきつく。いや、これ以上の考察はやめよう。初回から長くなりすぎる。

 

◎ここから出版予告です。

タイトルが、「私、誰の人生もうらやましくないわ。」で、サブタイトルが「児島令子コピー集め」です。パイ インターナショナルから12月23日発売予定。たぶん。このリレーコラムで初めて発表しました。よろしくお願いします。

20世紀に書いたコピーから、2022年の最新作まで。私自身がセレクトした私のコピーが、世紀をまたいで並んでいます。セレクトの軸は、たぶん、本のこのタイトルにあります。なんとなくそこに収れんしそうなことばを集めました。

キャッチだけでなく、ボディもたくさん読めます。コピー年鑑に載ってたけど一部しか読めなかったものも、全貌が見えます。年鑑にのってないものもあります。

書き下ろしコラムもがんばって複数書きました。というか、いま書いてます!コピーってなに?コピーライターってなに?と自分に問いつづけてきた心の軌跡が垣間見えるかもしれません。見えないかもしれません。

今日はこのへんにしましょう。またあした、コラムも本の予告も書きますね。

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