リレーコラムについて

東京で名古屋の宣伝してすみません その3

都竹玲子

◆このリレーコラムの目的
来年のたぶん秋頃に開催されるコピーライターズクラブ名古屋賞(以下、CCN賞)の公開審査会で「TCCのリレーコラムがきっかけで観に来ました」とこれを読んでいるあなたに声を掛けてもらうこと(願望)

 

◆CCNって?
CCNは、名古屋を中心に全国のコピーライターや制作者が集う団体です。CCN賞の募集・審査・年鑑制作をはじめ、交流の場の提供、情報の発信などを行っています。(CCN公式サイトより)

 

◆本文
CCN賞の公開審査会に初参加してから6年後。私ははじめて「1票」をもらえた。『なめるサボテン』というサボテンのど飴のネーミングだった。

票を入れてくれたのは、電通中部支社の尾崎敬久さん。尾崎さんのつくる広告が好きだったし、コピーへのストイックな姿勢を尊敬していたので(しかも前回のリレーコラムで書いた、飲み代をチャラにしてくれたのはこの御方だった)、尾崎さんの1票がめちゃくちゃうれしかった。

世界の山ちゃんで、尾崎さんに票を入れてくれた理由を聞いた。

「ちょっと気になったんだけど最初は票を入れなくて。また戻って見た時に、一般参加者の学生さんかな?が、『なめるサボテンだって〜』って話題にしてて、あぁ、やっぱ気になるネーミングなんだ、と思って1票入れさせてもらいました」

そう丁寧に教えてくれた。

「気になる」とか、「おもしろい」とか、「好き」とか。人の心が動くなにかをコツコツひとつずつ積み上げていけば、いつかCCN賞に手が届くかもしれない。

それまで0票続きだった私だけど、『コピーで人を動かす』という感覚の入り口に立てた瞬間だった。

 

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その2年後、受賞まであと1票というファイナリストに入った。受賞をめざしていたから、めちゃくちゃ悔しくて、恥ずかしながら世界の山ちゃんでマジ泣きした。

メソメソしていると、熱量高い系の先輩から「審査員に話を聞きに行きな」と言われた。

票を入れてくれた審査員の元に行こうとすると、「ちがう、そうじゃない。票を入れてない審査員に入れなかった理由を聞きに行きなよ。次は獲るんでしょ?」と。

「いやだ」とグズる私を、先輩は審査員の元へ引っ張っていった。(この人、鬼や…!)と思ったけど、今振り返ると愛しかない叱咤激励だった。

票を入れなかった理由は、「書き手の欲が見えた」とか耳が痛い内容ばかりで。けれど自分の弱点がクリアになって、磨くべきことが明確になった。悔しくてたまらなかったけど、はぁ〜、またがんばるか…。と、ムクリと顔を上げた。

さらにそれから3年後、私は念願のCCN賞を受賞した。

はじめてCCNの公開審査会に参加してから、気づけば9年という月日が経っていた。

 

◆締め

お読みいただき、ありがとうございました。タイトルにもあるように、東京コピーライターズクラブのリレーコラムで、コピーライターズクラブ名古屋の話を延々としてすみません…。

CCNという地方のコピーライターズクラブ、そしてCCNで出会った名古屋のみなさんに育てていただいたおかげで(もちろん名古屋以外のみなさまにも支えていただいたおかげで!)TCC新人賞が獲れたので、CCNの話を書きました。

CCN賞の公開審査会は、コピーの腕を磨くのにとってもいい場所です。

審査前の応募作がすべて見られるから、『コピーを選ぶ』というスーパー重要な能力を磨くことができる。私は毎回、気になった応募作をメモして、実際に選ばれた受賞作と照らし合わせて検証したりしています。

名古屋以外から参加する人も多いです。気になった方はぜひいらしてくださいね!(東急エージェンシー所属で、これを読んでくださっていて、しかも公開審査会に行きたくなったという奇跡的な方がいたらぜひ私に声を掛けてください。名古屋ツアーを組むので…!)

 

◆このリレーコラムの行き先
大好きなコピーライターの児島令子さんへバトンをお渡しします。

児島さんのコピーは好きなものばかりですが、特にパナソニックさんの「私、誰の人生もうらやましくないわ。」はコピーライターをめざしていた学生の頃に出会い、フツフツと心が沸き立つような勇気をもらいました。今も大好きです。

児島さんとは面識がないのですが(私は一方的に何度もお見かけしていますが)、図々しくもご連絡させていただきました。

お聞きしたところ、とても忙しいタイミングだったようで…!そんな中、バトンを受け取ってくださり、本当にありがとうございます。大感謝です…!

とっても楽しみな児島令子さんのリレーコラム。令和になってからは、はじめてのバトン。大事に大事に、お渡しさせていただきます。

 

つづく

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