リレーコラムについて

インドの車窓から

小山真実

今、インドで働いている。

離婚届を出した2日後が
会社の海外勤務公募の締め切りだった。
書類での選考と、いくつかの面談を経て
グルガオンという街にあるグループ会社で働く機会を得た。

ここでは、100人ほどのオフィスで、
デジタルが前提になった時代のクリエーティブを模索している。
初めての経験も多く、戸惑いまくっているけれど、
チャイ飲みながら夢中で働いてたら
新人賞をいただけたというニュースが入ってきた。

ほんと、人生なにが起こるかわからない。

毎日会社に送り迎えをしてくれるドライバーさんは、
無愛想だけど、仕事熱心で、ときどき飴をくれる。
おじいちゃんにとても似ている。

時間に対する感覚は全く違う。
インドの人は、「ちょっと待って」という意味で、
よく「2minutes」と言うが、
同じ状況で日本では「一瞬」を使う人が多い。
一瞬は0.36秒らしいから、
インドの「ちょっと」は私たちより300倍ほど長いことになる。

天気予報には、「晴れ」や「雨」だけじゃなく、
「もや」や「砂嵐」もある。

コンビニやATMが少ない一方で、
フードデリバリーや配車アプリ、電子マネーは
こちらの方が便利に使うことができる。

大気汚染は深刻だけど、水で困ったことはほとんどない。
インドでは道端のジュースを飲んでも大丈夫だったのに、
日本に一時帰国したら盛大にお腹を壊したので、
もともと胃腸が向いているタイプなのかもしれない。

ヒンディー語の文法は日本語に似ている。
6ヶ月ほど学んでいるが、
文字さえクリアしてしまえば、意外と学びやすい言葉。

街も職場も、平均年齢は20代。
少々雑でも、前に進める勢いが心地よい。

ここにいると、
あたり前だと思っていたけどあたり前じゃなかったこと、
知っているつもりで知らなかったことと毎日出会う。

日本語のコピーはしばらく書いていないけれど、
発見がたくさんある環境は、
絶対にコピーライターとしての仕事にも
活かせるものだと思っている。

1週間ありがとうございました。
同じく新人賞受賞者の歓崎浩司さんにバトンを渡します。

ダンニャワード!

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