リレーコラムについて

「もっと、旅すれば?」

小野仁士

「今でも覚えてる、あの一言(仕事編)」その5

どんな話の流れだったか忘れましたが、
打ち合わせのときに「じゃあ、どうしたらいいんですか?」と
CDに訪ねたら言われた言葉。

「キミは世界が狭いから、もっと旅すれば?」

いい広告をつくれるようになったり、
いいコピーを書けるようになるためなのか、
女子にモテるようになるためなのか
どういう目的のために旅をしたほうがいと言われたのか。

肝心の前提を忘れてしまいましたが
とにかく「世間知らずなんじゃないの?」
ということを言われたみたいです。

せっかくなので、
「キミがいい広告をつくりたいなら、もっと旅しなさい」と
言われたとして考えます。

世界が狭い、世間知らずというのは
広告をつくる上でどういうことかと考えてみると、
頭でっかちになるな、コピーは頭で書かずに体で書け
という意味なのかなと今思いました。

そういえは、そのCDではない先輩の誰かに、
商品でもサービスでも、自分が担当になったものは
買うなり使うなり、それを売ってる現場に足を運ぶなりして、
机の上で考えるだけではなく体を動かせ
と言われた記憶も蘇ってきました。

今はコロナ禍で行動が制限される部分もありますが、
自分はそれ以前から、すぐに現場に行ってみるとうよりは
オリエンシートを読み込むのと
その商品やサービスについてネットで調べることが
多くなっていたかもしれません。

「アイデアは移動距離に比例する」という言葉もあるように、
要はもっと自分の足で情報を集めたり
ちゃんと実感したうえで
アイデアを考えろってことですよね。

今まで頭の中に「もっと旅すれば?」という言葉だけ残っていて
それ以上深く理解しようとしてなかったのですが、
今日いろいろ考えながらリレーコラムを書いて
ちょっと理解が進みました。

「書を捨てよ、町へ出よう」
「見るまえに跳べ」とおなじ意味だったとは。

「旅する」という行為に囚われすぎて、
旅でアクシデントを経験して成長しなさいとか
旅先でいろんな人と交流して成長しなさいとか
日本や東京以外の価値観にもっと触れなさいとか
そういう意味のことを言われたんだと
さっきまで勘違いしてました。「旅」は比喩だったのか。

「今ごろそんなことに気づいたの?」
はい。

 

「今でも覚えてる、あの一言(仕事編)」その5
おわり

 

一週間、ありがとうございました。

ほかにも、覚えてる一言の候補は
「泣くならトイレで泣いて来い」
「たまには先輩らしいことしてくださいよ」
「コピー年鑑はコピーの勉強のために見る本じゃないんだぞ」
などありましたが、お蔵入りになりました。

 

来週は、TCC幹事のときにお世話になったり、
自宅近所のスーパーでばったりお会いしたり、
ニュー新橋ビルでばったりお会いしたことのある
電通 木村亜希さんにお願いしました。

みなさま、お楽しみに!

 

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