リレーコラムについて

不毛の大地

田中幹

 広告はでかい共感を必要とするため、「あるある」発想にいきつくことが多い。
 でも、それだけだと、世の中の一部分しか見えないのではないか。

 「ないない」を考えてみた。

● 音楽の先生の普段着はたいていライダースジャケットだ。

 ない。見たことない。

● 男子校出身者が集まると、気づけば「狐」の話になってしまう。

 男子校であろうとなかろうと、基本、人は「狐」の話を、ほぼしない。
男A「お金と思ったら葉っぱだったよ!」
男B「それ、前も言ってたじゃん!」
 ない。

 それとも、思ったより尻尾が太いとか、生物学的な話になっていくのか。

● サウナのあとは、念力が弱まる。

 そもそも、念力自体がない。

● 耳に切符をはさむと、駅で迷う。

 微妙にありそうだが、やはりないだろう。
 たまたまそういう人は見かけたかもしれない。

● 商店街で自転車に乗って走ってるおばあちゃんの名前は「よしえ」。

 決め打ちはよくない。
 ただ「よしえ」という名前にはたしかにアグレッシブな印象がある。

 さて、これをずっと続けていくこともできるが、不毛の大地しか見えないので、ここでやめる。

 てなわけで、また。

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