リレーコラムについて

ウィークデイ・マチネ・クラブ

鈴木拓磨

独立以来、
いつ働いていつ休むかは
完全フリーダム人間だが、
自宅で働くスコピーのコアタイムは
息子が学校に行っているあいだ。

平日の昼間がすべてである。

演劇が好きで、
就活で東京に滞在していた大学生のとき
NODA・MAPの公演「オイル」が観たくて
シアターコクーンの平日昼公演に
行ったことがあった。

無事、観劇できたのだけれど、
それでも当日券のために
午前から何時間も並んだし
そもそも平日昼公演が
こんな満席で成立するなんて
NODA・MAPもすげえけど
東京ってすげえなあ! と驚いた。
北海道じゃ絶対ありえねえ。

逆をいえば
東京で、NODA・MAPであっても、
平日昼公演は席に若干の余裕がある。
そりゃ仕方ないことなのかもしれない。

平日昼公演って
いったい誰が観に行くんだろうかと
ずっと疑問だった。
仕事をしていない大人と、
学生と、あと関係者ぐらい?
とにかく、別に行こうと思えば
土日も夜もいつでも行けるような
ヒマな人が行くものだとばかり思っていた。

でも、違った。

平日昼公演には、
ヒマな人だけじゃなくて、
平日昼公演しか行けない人が行っていた。
自分がそうなって、ようやく気がついた。

平日の夜と土日祝の終日が
原則すべて家族との時間になる人。

土日祝日や平日夜に
小1の息子をどうするか調整するより
平日の昼間に
自分の仕事をどうするか調整する方が
だんぜん実現可能性が高い人。

仕事であれ何であれ
自分ひとりの時間はすべて
平日の昼間に作るのが
総合的に考えてベストな人。

今のおれである。

ああ、劇場に行きたい。
平日の昼間に行きたい。
平日昼公演さえあれば!

もちろん、
放っておけば客の少ない、
そもそも設定されないことも多いのが
平日昼公演である。
だからこそ、
平日昼公演を盛り上げていくためには
連帯が必要なのだ。

こんにちは。

Weekday Matinée Club

平日昼公演の会です。

WMCは
平日昼公演を求め続ける。
平日昼公演を買い支える。
平日昼公演を自ら開催する。

平日の昼に思いっきり仕事ができている、
それだけでも万々歳なのは理解の上で。
われわれは、もっといろんなものに出会える。
われわれは、もっとやりたいことやれる。
はずである。

WMCは
あなたの賛同と参加を待っている。

平日昼間の夜明けである。

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