リレーコラムについて

Cの話

関陽子

気がつけば年度が変わって、
また会社の中で、一学年上がっていました。もう中堅です。
そして気がつけばまったくコピーの話をしていなかったので、
最後くらいはちょっと。

いままで、いちばん「オイシかった」仕事は、
イタリア料理店に置く季刊パンフレットをつくるために、
トスカーナまで取材に行くというものでした。
季節ごとにワイナリーやぶどう畑を取材し、
「コピーのため」と称して、昼間から赤ワインを飲み比べ、
地元で評判のスローフードレストランをめぐる。天国。

でもそれは、
長文コピーを書いたら右に出るものはいないという
先輩・角田誠さんから引き継いだ仕事でした。
秋バージョンを角田さんが書き、冬からわたしが同じフォーマットで書く。
「歳時記」ですから、何ページにわたって、
トスカーナの四季を物語にしていかないといけません。
角田さんの、無駄はないのに情緒あふれる文章に、
ロクに長いものを書いたことがない自分が、匹敵できるのか?

毎晩おいしいパスタをいただきつつも、小骨が刺さった気分で取材終了。
書いても書いても、角田さんの技からはほど遠い文章が生まれ、
データを消し、書いて打って、データを消し。
まったくもって、お尻に火がつきました。火事場のナントカでした。

できたコピーを角田さんにFAXで読んでいただいて、
送り返されてきたときに一言だけ、
「パーフェクト」と書いてあったときの嬉しさは、今も覚えています。
そのあと別の先輩から「まだまだだね」と言われたり、
クライアントから赤だらけにされたわけですが

派手でインパクトのあるものも大事だけど、
謙虚で力のある言葉が、きちんと書ける人になりたいなぁ。
最近の若い者はボディコピーがダメ、なんて言わせないように。
トスカーナのワインの味を懐かしく思いながら
気持ちを締め直す春4月です。

長続き、しないんですけどね。

・・と、普通に真面目でしょ、絹谷さん。
来週は、
わたしを珍人だと仰った、絹谷公伸さんです。
大阪の具合は、いかがですかー?

NO
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